山梨甲府の魅力は尽きない。
前回まっしぐらに町外れの秘境、昇仙峡へと突っ走ってしまいましたが、
甲府の魅力は駅から徒歩圏内にもしっかりあります。
山梨は人口が少ないといえど、そこは県庁所在地なんだよねえ。
天下のヨドバシカメラもあるなかなか都会指数が高い甲府駅前。
駅前から続く繁華街は、ほうとうを売りにしているお店はもちろんのこと、全体的に居酒屋が多い印象。飲み歩き、食べ歩きには困りません。
そして、
「甲斐の虎」
と称され戦国大名の中でも最強格の呼び声高かった甲斐源氏の総帥、武田信玄ゆかりの地が市内にいくつも存在します。
今回は戦国時代の歴史に触れつつ、そのほか甲府の街中の観光名所をいくつか訪れてみたいと思います。
甲府で泊まるならここがいい!城址を見下ろす「城のホテル」
甲府駅近辺での最も身近な歴史の名所といえば、甲府城城址に造られた舞鶴城公園。
公園内はこの地にあった甲府城天守閣跡や、復元された櫓などもあり櫓の内部は甲府城の資料も展示されていて無料で見学可能。
甲府城は武田家は直接関係はなく、武田家滅亡後の秀吉統治時代に関東(徳川家康)を警戒して建築された城。その跡地に舞鶴城公園が造られています。
城の中に佇むホテル「城のホテル」
その舞鶴城公園の隣に、というより入り込むかの如くそびえ立つのが今回宿泊した
すげえ!城址をすぐ見下ろせるホテルなんて初めて泊まった!
絶好の場所というだけでなく、真新しくてとっても綺麗なかっこいいホテルです。
間近で見物しなくとも公園の様子を一望できる。
部屋は広くはありませんが、清潔でデザインもよく必要十分の設備です。
特にコンセントが充実しているのは嬉しい。デスクでPCを使用するビジネスマンはもちろんのこと、ベッドでスマホを充電しながら使用する時、両サイドにコンセント口があるのは素晴らしいと思います。
そして最上階には最高の眺めを持つ大浴場。
(同階にスモーキングスペース、自動販売機、コインランドリーあり)
大浴場前は展望スペースもあり、お洒落なベンチに甲府ゆかりの展示物などを見ながら旧甲府城天守と同じ高さの位置からみれる眺望は必見。
湯上がりに熱った体をクールダウンさせつつ、甲府の夜景を見ながら冷たい飲み物を一杯、何てこともできる洗練された作りの最上階です。
山梨郷土料理もある贅沢な朝食バイキング
今日は少し軽めに摂るか。
いや結構摂ってますよ。しかしなかなか美味そうですね。
バイキング形式の朝食は小鉢にラップがかけられており、トングいらずで取りやすい形になっています。
定番の卵料理に加え、鮭の塩焼き、とろろ、野沢菜の漬物、鳥もつ煮など山梨の名物も織り交ぜつつがっつりエネルギー補給していきます。
特に美味しかったのは葡萄ジュース。どこかで味わいたいと思っていた矢先、山梨の美味しい葡萄を使った果汁を堪能できて朝からテンション上がりました。
朝食は6:30〜9:30まで。朝食付きの宿泊予約が必須です。
駅から最も近く、景観もよくサービスも充実した城のホテルは甲府に来たならぜひおすすめ。
「城のホテル」甲府駅前の各予約サイトの予約はこちらから!
いざ、武田信玄ゆかりの地「武田神社」へ!
意気揚々とホテルを旅立ち、甲府駅北口へ。
南口には武田信玄の像がありましたが、こちらには駿河へ追放されたお父さん「武田信虎」の像があります。
この人も不憫だねえ。結構有能な人なのに。
信玄に謀反を起こされて追放された経緯は諸説あるっスが、まあ追放された後も手厚く面倒見てもらって結構悠々自適な生活送っていたみたいっスから、それなりに幸せな人生だったんじゃないっすかね。
さてここからはバスやタクシーで武田神社へ北上、という手もありますが、
武田家臣の屋敷跡を始め、武田ゆかりの地へ徒歩で巡礼したいと思いまぁす!
・・・結論から申せば、控えめに言って地獄でした。
9月とはいえ、残暑の炎天下の中。マゾ以外お勧めしません(歴史建造物はなくただの立て札のみなので好きな人以外見どころは全くない)。
各地に散らばる武田重臣たちの屋敷跡という名の標識群。
ともかくも武田通りを中心に、武田家名臣の屋敷跡をなるべく見れるだけ見ていきたいと思います。
1時間耐久武田武将屋敷跡マラソン(陽射し極悪)
甲府駅から北を目指し、武田通りという一本道を進みます。
目的は旧武田本拠地として永らく在った躑躅ヶ崎館跡地にある、武田神社。
まっしぐらに武田神社を目指せば30分あまりで到着しますが、散らばった武田武将の屋敷跡を行けるとこまでと武田信玄のお墓を訪れたいので、おおよそ1時間以上はかかる散策となる予定。
信虎、晴信(信玄)に仕えた宿老で、信玄の長男義信の傅役だった飯富虎昌。
すぐ先の道の反対側、山梨大学前に秋山伯耆守虎繁(信友とも)の屋敷跡の看板がありますね。
武田24将に数えられる譜代武将。信虎、信玄、勝頼の3代に仕えた歴戦の猛者です。
その先には信玄さんの片腕、弟で武田の副将軍武田信繁さんの屋敷跡っス。
信玄の同母弟で、有能な副将格だった信繁さん。川中島の戦いであえなく落命しました。
後期の信玄子飼いの武田四天王、馬場信春、山県昌景、高坂弾正昌信、内藤正豊キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
飯富、甘利、板垣ら宿老が去った後、武田家の武と家政を支えた代表的な4人の武将たち。高坂弾正は春日虎綱、内藤昌豊は内藤昌秀が正式名称として表記されています。
その他、
- 甘利虎泰(信玄初期の宿老。信濃の村上義清との戦いで戦死)
- 真田幸隆(高名な真田昌幸の父。孫に上田藩初代藩主信之、大坂の陣の幸村がいる)
- 穴山信君(武田家一門。梅雪とも。本能寺の変で都落ちする際死亡)
の有名武将の屋敷跡も行きました。場所によってはぱっと見分かりにくい立て札もあるので、グーグルマップとにらめっこしながら見逃さないよう巡礼したほうがいいと思います。
イ~タ~ガ~キ~ッッッ!!
NHK大河ドラマ「風林火山」の千葉真一さんの討ち死にシーンは名演でした。
武田信玄が大河ドラマの題材となっているのは1988年放送「武田信玄」(原作:新田次郎「武田信玄」「武田三代」)と山本勘助が主人公となっている2007年放送「風林火山」(原作:井上靖「風林火山」)の2作品。自分は風林火山を毎週楽しみに見ていました。
肝心の山本勘助の屋敷跡は遠すぎたのでパス。
大河の主役wwwないがしろにしないでくださいw
勘助よ、次の機会にまた会おう。その時はキツツキ戦法(藁)について詰めたいと思います。
武田信玄の火葬塚、武田信玄公の墓へ
武田神社より少し手前で、右側へと折れて愛宕山スカイラインを道なりに進みさらに折り返して細道を行くと、
草木がやや生い茂った民家などがある普通の道路に面して、武田信玄公のお墓があります。
信玄公のお墓、慰霊碑は近くの武田神社を始め恵林寺、大泉寺、高野山、長岳寺など複数ありますが、ごく普通の住宅街にポツンとあるのはここが信玄が荼毘に付された、つまり火葬された場所であるとされているからだそうです。
神社仏閣ではなく、こういう場所にひっそりとあるのがかえって神秘的で特別な場所感が出てていいね。
本当に縁ある地だからこそ、お墓だけが粛々として祀られている。そんな感じがします。
武田信玄が好きな方は一つの聖地として是非訪れてその魂を鎮める巡礼の旅に来てはいかがでしょうか。
メインディッシュ武田神社!武田本拠地躑躅ヶ崎館跡
山梨大学のような大きな施設や、閑静な住宅地が続いていた武田通りをまっすぐ行くと、突然大きな通りに面した神社が。
ここが旧武田本拠躑躅ヶ崎館に建てられた「武田神社」。
ここに来るまで人なんかまばらだったのに、突然人が湧いたかのようにたくさんの観光客が参拝していました。
自分たちみたいに道中に用がない限りここには自家用車かバス、タクシーでサクッと来た方がいいっスね。
甲府駅北口バスターミナルから武田神社行き、もしくは積翠寺行きに乗って8分ほど。他の観光スポットもたくさん見たいという方はバスで時間短縮を図りましょう。
立派な社殿に多くの参拝客の方々が並んでいます。
1919年(大正8年)に社殿が竣工され、本格的に神社としてスタートしたこの地は、
「勝運」「金運」
の御利益があり、いかにも武田信玄を御祭神としている神社らしい。
戦国屈指の常勝将軍であり、金山で財を成した信玄のゲンにあやかりましょう。
境内には画像の左側、能楽や神楽、舞などの芸能の舞台である「甲陽武能殿」や、
竹筒から聞こえる水滴の音を琴の音に見立てた「武田水琴窟」、万病退散、延命長寿の御利益がある名水「姫の井戸」。
御祈願に使用される「菱和殿」、武田家ゆかりの文物が拝観できる「宝物殿」(有料)など、比較的新造の社としては充実した神社となっています。
武田神社近辺の資料館&お土産物屋&お食事処
武田氏館跡歴史観信玄ミュージアム
甲斐守護大名である武田家の足跡を展示している歴史資料館。
信虎、信玄、勝頼の3代にスポットを当てて、武田家の栄枯盛衰をパネルや展示物で紹介しています。
常設展は無料、有料の特別展示室(300円)では武田氏館跡から出土された歴史展示物やスクリーンによる武田氏の歴史を解説した映像を見ることができます。
お隣の旧堀田家古城園内で具足や旗指物と写真を撮れる撮影スポットがあります!お子さんやご家族で是非記念撮影を!
蕎麦カフェ由布姫
信玄ミュージアムに併設されているお食事処「由布姫」。
食券制で、信玄や謙信、信虎、勝頼などの戦国武将にちなんだ名前の蕎麦うどん、ラーメンなどが販売されています。
自分は夏季限定の信玄肉つけそばを注文しました!結構ボリュームあって770円はリーズナブル!
ちなみにミュージアムの特別展示室を観覧したとき桔梗信玄ソフトか生ビールが100引きになるチケットがもらえました。常時配布しているかはわかりませんが、利用すればお得にアイスやビールをGETできます。
かぶとや
信玄ミュージアムの反対側にあるお土産物と軽食を扱っているお店。
定番甲府土産から、武田神社ならではの信玄グッズまで沢山取り揃えております。武田信玄マニアにとっては夢のようなお土産物屋さんです。
信玄ソフトなるきな粉と黒蜜をかけたアイスもありました。その他各種ソフトクリームやコーヒーなどが販売されています。
甲府駅付近のその他観光スポット、お店紹介
甲府駅近辺や駅構内には甲府名物を扱っているお店が多数あります。
まずはワイン関係。甲府に来たならばお土産物としても外せない商品。
うってつけなのがこちら、
カフェ&ワインバー葡萄酒一番館。
駅構内、甲府駅観光案内所の隣の目立つ場所にあります。
ワインや果実ジュースが購入できるのはもちろんのこと、ワインの立ち飲みもできます。おつまみもレンチンものながら結構充実。
下戸の方や運転の方もジュースを頼むことができ、甲府の美味しい果実飲料を味わいながらお土産を購入するには最適のお店です。
サドヤワイナリー
甲府駅北口から右寄りにあるワインの製造所、サドヤワイナリ―。
ここでもワインの購入、試飲ができます。レストランも併設されていて、アルコールと共にお食事も楽しめる場所です。駅近なので車で来なくても済むのは呑兵衛ドライバーにはありがたいワイナリー。
予約必須ですがワイナリー内の見学もできて、観光スポットとしても見どころ満載の場所です。何と奥側には結婚式場も!
甲州夢小路
統一感のあるモダンな外観の建築物が立ち並んでいる甲府駅北口のショッピングモール。
飲食店やカフェ&バー、お土産物販売店などが連なっており、時の鐘や甲府城歴史公園も通りに面していて一帯が観光名所となっています。
ショッピングが好きな人にはなかなか楽しいショッピングモールだと思います!お洒落なレストランもありますし!
奥にある小さな蔵の美術館はアンティークジュエリーの他、草間彌生氏、竹久夢二氏の版画作品などがあり、小さいながらも掘り出し物の美術館です。
まとめ:武田信玄とワインを語るならぜひ甲州へ
今回訪れた甲府市は、観光都市としては前回の石川県金沢市のような巨大で洗練されたスポットと比べ、観光に対しての熱意、押し出しは少ないですが、
その分手つかずの素朴な名所がそっとさりげなくある、そんな自分好みの都市で好印象。
特に戦国武将が好き、もしくは某コーエーゲーが好きという方は一度は訪れてほしい場所です。それをワイン片手に語れる人にとってはもう最高。
ゆるキャン△もワイン片手に語ろーぜ!
3期一話も見てないけどな、あんた。後ゆるキャン△の舞台は身延町な。
特に関東、とりわけ東京住みの人にとっては特急あずさに乗ってしまえばもう隣町みたいなもの。今回の記事で紹介したところならば日帰りで十分楽しめます。
7:00ちょうどの、あずさ1号で甲府旅どうですか?(到着は8:30)
ちなみに現在運行中の8時ちょうどの特急はあずさ5号。甲府には9:30ほどで到着します。駅近観光ならこちらの方が時間的に合っているかも。
信玄餅とほうとうとワイン(季節によっては様々な果物も)、いっぺんに楽しみたい方は是非山梨甲府へおいでませ。