2023年、今年の秋は光の速さで過ぎ去りました。
急に寒い。
厳密にはまだ冬が来たという実感はないですが、季節予報によるとこれからぐっと気温が下がっていく模様。
こうなると歯止めはかかりません。冬将軍の到来はもう近い。
衣替えは済みましたか?冬用の布団は干しましたか?暖房器具の準備はどうですか?
懐炉の用意は万端ですか?
え?カイロなんて使い捨てを買っときゃいいって?
確かにそれはまごう事なき真理です。
でも他の懐炉って使い捨て以外に一体どんなものがあるのか。
そもそもの話懐炉(以下カイロ)っていつからあって、どういう時にどういうものを使うのがベターなのか。
ハクキンカイロ派がカイロについて本気で調べてみました。懐が寒いのはツライので。
お財布的には夏でも寒いんですけどねハハハ!
社畜よ、死ぬほど働くがよい。寒さを忘れるほどに。
今年は少しだけいつもと違うカイロを導入して寒さ対策をしてみませんか?
カイロが起こった成り立ちや方法ってどんなもの?
カイロの歴史をご存じの方もいると思いますが、そのルーツは古代から江戸時代あたりまで石を温めて布などに包んだ物を懐に入れて寒さを凌いだと言われています。
その時は後年の懐炉という呼び方ではなく「温石(おんじゃく)」と呼ばれていました。
最近の某宮廷ミステリーアニメでも原始的な方法で温石懐炉やってましたね。
これ・・・・毒で・・あっちいいいいぃぃぃっ!!
温石はシンプルゆえに低コストでもありますが、事前に火鉢などでの炭火おこしが必要で、温度調整や持続時間に関しては余り自在というわけではなく不便なものでした。
その後、明治期に入り新たに誕生したのが灰式カイロ。
木炭粉末と保温力の強い麻殻や桐灰、ナスの茎の灰などを練って、人工炭のような火種の灰を作りそれを金属の容器に入れて燃焼させるという形式のもの。
文字通り懐に入れられるミニ炭火暖炉が発明され、温石よりも持続率も携帯性も上がったことから爆発的に広まっていきました。
この灰式カイロ、実は2010年代ごろまで国内産のものが製造されていました。
見たことないという方もいると思うっスが、晩年は人間に用いるカイロとしてではなくカメラや望遠鏡のレンズを温めて結露を防ぐという目的で使用されてたっス。構造上水分が発生しないらしく、意外なところに需要があったっス。
その国内生産も終了してしまい、現在は海外の会社が細々と生産を続けているようです。
その後ベンジンなどを燃料として使用した触媒式プラチナカイロや、鉄粉が空気に触れると発熱する化学反応を利用した使い捨てカイロが相次いで登場し今日に至ります。
近代になって登場し現在でも使用されている5種類のカイロ
カイロというシンプル構造の防寒アイテムは、形式は変わっても用途はほとんど変わらずに我々の冬の厳しさを少しでも和らげてくれるお役立ちアイテムです。
現在でもさまざまな形態のカイロがあり、特徴もそれぞれ違いがあります。
その①使い捨てカイロ
王道中の王道であり、手軽で入手も容易な扱いやすいカイロ。
価格も安く、コンビニ、ドラックストア、100円ショップなど季節雑貨を扱っているところならどこでも気軽に購入できるのが最大のメリット。
貼るタイプとポケットに忍ばせるタイプがあり、同時に複数箇所寒さ対策ができるのはコストが安く軽量な使い捨てカイロならではなんじゃないでしょうか。
デメリットとしては名前の通り、使い終わったらゴミとなってしまうこと。
捨てられない環境にあると、ただただ荷物になってしまうので個人的には長期屋外に滞在するアウトドアなどではあまり使用しません。
しかし通勤など街歩きには非常に重宝します。
その②白金(プラチナ)触媒式カイロ
大正時代に発明されたプラチナの触媒作用を利用して燃料を酸化発熱させる手法のカイロ。
燃料は主にベンジンを使用します。ライターなどのオイルですね。
ここ数年冬には必ず使用しているお気に入りアイテムですが、長時間使用するカイロとしてかなりの使い勝手の良さです。
キャンパーなどアウトドアをする人がよく使用していると聞きます。
オイルを注入するための専用カップでベンジンを中の脱脂綿に浸透させていきます。
カップを外しプラチナ火口を戻した後、ライターなどで火口を2,3秒炙って酸化を促し付属のカバーに入れたらしばらくすると懐炉全体が発熱する仕組み。
1杯で12時間、2杯で24時間保温が持続。使用用途によってオイルの量を調節するのがコツです。
かなり長持ちしますし、ベンジンを携帯していけば何回でも使用できるのが便利です。
しかしデメリットとしてベンジンが酸化発熱している時は独特な匂いがします。
屋外では気になりませんが、電車などに乗るとかなり内側から匂いがしてくるので人がいるところでは使用は差し控える方が良いかと。
あと、上記で触れたように触媒になるプラチナの火口を炙るのにライターなどの火が入ります。
火を忘れるとカイロとしての機能を発揮できないので注意です。
手間はかかりますが、カイロとしての保温性は抜群で長年愛されている理由がわかります。
その③電池式、充電式カイロ
カイロの中では比較的最近登場したタイプの発電による熱式カイロ。
2006年に三洋電機から発売されたものが最初で、日本発の商品です。
バッテリーや電池を使用しているため、発熱の開始、停止がスイッチ一つで思うがまま。
国内のみならず海外でも人気で、携帯などを充電できるモバイルバッテリーとしても併用できるものもあり、その手軽さや便利さから愛用する人も多いカイロです。
可燃性のガスや燃料を取り扱わないことから安全性も担保されている同商品。
ごみを出さないメリットもありますし、何よりモバイルバッテリーとして使えるものは冬だけでなく一年中活躍できるのがgoodです。
デメリットとして電熱製品としては回路や耐熱設計の関係から、それほど保温性の水準は高くないところがあります。
過度の期待をして使用するとがっかりするかもしれません。特に寒冷地などで使用するときはバッテリー持ちも急激に落ちることがあります。
その④電子レンジカイロ
ゲル保温材やセラミックビーズ、天然素材として小豆や玄米などをパッケージして、それを電子レンジでチンして蓄熱するエコカイロです。
携帯性や保温性、持続時間は上記2つのカイロより劣りますが、どちらかというと室内、とりわけ就寝時布団の中で安心して湯たんぽのように使えるのが人気のカイロです。
持ち歩くものと考えずに、冬の快適なくつろぎや睡眠のための用途として他のカイロと棲み分けするのがいいかもしれません。
その⑤ケミカルカイロ
エコカイロの名前で販売されていることが多い酢酸ナトリウムの化学反応を利用したカイロ。
金属片などで中の液体を結晶化させ50度ほどの発熱を促し、完全に固体化するまで30~1時間ほど保温します。
使用し終わった後は熱湯で吸熱させるとまた使用できるようになるため、使い捨てカイロと違って何度も使用することができるのがメリット。液体が漏れたとしても危険な薬品ではないので肌に触れても安全です。
デメリットとして保温性が極端に短いこと。繰り返し使用するための手間がかかること。
結晶状態でも電子レンジなどで加熱は絶対にNG。破裂爆発する可能性があるので危険です。
基本的に外で使用するものでなく、用途としては電子レンジカイロと同じような使用法になります。
どのカイロを使用するのがもっともいいのか
結論を申せば、ケースバイケースではありますが外出での使用は使い捨てカイロが一番使いやすく安価で手に入ります。
室内では電子レンジカイロがエコでもあり、お手軽に加熱できるのでおススメ。
でも充電式カイロも便利よねー。保温性はちょっと劣るけど、バッテリーにもなるし。
ケミカルカイロもユニークなアイテムですよね。室内カイロとして一つ持っておくといいかもしれません。
そしてこの中では最も古参な触媒式白金(プラチナ)カイロ。
繰り返し使えるプラチナ触媒式カイロ!
ハクキンカイロ:スタンダード&ミニ ハクキンカイロ用ベンジン
- 高級あるボディと高い実用性で根強い人気のカイロ!
- ベンジンの量を調節して持続時間をコントロールできる!
- 交換パーツや関連グッズも豊富!
- スタンダードとミニの2種類のサイズあり!
ハクキンカイロの名で長く愛され、保温力も携帯性も所有欲も満たされるこのアイテムは極寒の環境で素晴らしい機能を発揮します。
ベンジンを注入したり管理したりする手間やリスクもありますが、そこはロマン。
ベンジンを小型のボトルに携帯できれば、キャンプでも繰り返し長く使用できます。とってもあったかいし、アウトドアと相性のいいアイテムですよ。
レトロなアイテムですが、そこは自動巻腕時計や万年筆、スキットルなどと同じ。
かっこよさを求めるならスタイリッシュな今年の冬の懐のお供として、ハクキンカイロが個人的には最もおススメです。