神奈川県沿岸西側にある湘南海岸に浮かぶ小島「江の島」。
神奈川でも有名な陸繁島であり由緒ある観光地でもあります。

江の島に行ける公共交通機関はいくつかありますが、今回は最寄駅の一つである小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅から訪れることに。

片瀬江ノ島駅へは千代田線経由で下北沢から小田急線、藤沢で乗り換えで行けます。
他に有名な江ノ電で知られる江ノ島電鉄で来るなら江ノ島駅。
すぐ近くに湘南モノレール江の島線湘南江の島駅などもあり、バスも大船駅(京浜急行バス)、藤沢駅(江ノ電バス)からそれぞれ出ています。

雨ですか。せっかく遊びにきたのにあいにくの空模様ですね。
いいのさ。かえって縁起がいい。龍神は水の神様だからな。
2024年、今年は辰年。

関東でも指折りの龍神伝説を持つパワースポット「江の島」はぜひ訪れておきたい場所です。
歴史ある景勝地江の島はどんな場所なのか?
日本百景の一つに数えられている江の島。

公共交通機関においては江ノ島と表記されることの多い江の島ですが、正式には「の」が公式表記になります。
島全体を挙げて観光地化している陸繁島江の島ですが、その成り立ちは随分と古く宗教家の修行の場として空海(弘法大師)や円仁(慈覚大師)などの高名な僧がたびたび訪れている由緒ある場所です。
その名残として江島神社を始めとした宗教関連の建物が島の至る所に点在していて、景勝地としてだけでなく宗教的な参詣地としても栄えている島。
人口は292人(令和5年9月1日調べ)。136世帯。1950年代の最盛期は人口1372人まで増加しましたが東京オリンピック後には減少。島民は主に観光業や漁業に従事して暮らしています。
ヨットハーバーや湘南港という港もあり、ヨット収容数は約1000隻。マリンスポーツの一大拠点として現在も様々なアクティビティーが行われています。

江の島全体図と今回散策したロードマップ。江の島観光のご参考までに。
朝の江の島弁財天仲見世通りを散策してみる。

雨の江の島もまた乙なものだな。
これが有名な青銅の鳥居ですね。

江島神社へと続く中央の細道は弁財天仲見世通り。左右に飲食店やお土産物屋が立ち並び、朝方の今時分はまだ閉まっていますが、お昼時くらいから賑わいを見せて観光を楽しませてくれます。
江の島に来たならまずはこれ。名物たこせん。あさひ本店で購入。

美味い!でも傘差しながらだと食べづらいな。
よいこの皆さんはしっかり両手で持って食べるっス。前で買っていた近くの人は片手で持っていて落としてしまっていたっス。
飲食店は大半が11時にならないと開店しませんが、いくつかのお土産物屋や食べ歩きのテイクアウト店、一部カフェは朝早くからやっています。

朱の鳥居をくぐって見えるのは瑞心門。

更に階段を登れば江島神社3つの宮の1つである辺津宮(へつみや)が見えてきます。

江島神社三宮の一つである辺津宮をお詣り
江島神社は辺津宮、中津宮、奥津宮の3つによって成り立っていますが、そのいずれも海の守護神として女神が祀られています。
辺津宮が祀られているのは田寸津比賣命(タギツノヒメノミコト)。
その横にある奉安殿。

こちらには日本三大弁財天である江の島弁財天を祀る社殿。
後の2つは安芸(広島)の宮島、近江(滋賀)の竹生の弁財天となっています。
竹生島には去年訪れました。以前行った滋賀県竹生島の記事はこちら。

奉安殿には裸弁財天(妙音弁財天)・八臂弁財天の像が祀られている他、江島神社の宝物も収蔵されています。有料で拝観可能。
更に隣が八坂神社。

境内神社ながら歴史ある神社で毎年7月には神幸祭という、腰越の小動神社から神輿による海上渡御が行われ壮麗な祭りが行われるそうです。
神奈川の祭り50選にも選ばれる大きな祭りなので機会があれば見てみたいです!
普段の御朱印受付やお守り販売などはこの辺津宮周辺のみで、奥側の二宮はおみくじのみの設置となっています。御朱印目的の方は辺津宮で早めに済ませておいてください。
さらに上へ上り中津宮をお詣りする

中津宮の階段前広場はお花畑。以前は宿坊がありその後金亀楼という旅館になりましたが、平成に入って取り壊され今の広場になったそうです。
そしてこちらが江の島名物の一つである江の島エスカー。

朱の鳥居前から亀の岡広場まで合計3区の野外エスカレーターがあり、階段を避けたい人や、足腰に自身のない方にとっては便利な有料エスカレーターです。
江の島シーキャンドルや江の島岩屋とエスカー利用がセットになった1day周遊券など、既定の施設を何度でも1日利用可能となっているチケットも販売中。江の島を隅々までガッツリ観光したい人は買った方がお得です。
販売所は1区販売所の他、片瀬江の島観光案内所、藤沢市観光センターなど。スマホで買えるデジタルチケットの販売も行っています。

階段(もしくはエスカー)を上がると中津宮。
市寸島比賣命(イチキシマヒメノミコト)という女神を祀る853年の歴史ある社殿。慈覚大師が建立し、その後何度かの改修が行われ現在の壮麗な極彩色の社殿となりました。
さてここからが本番だ。江の島で最も高い塔へ向かうぞ!
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江の島サムエル・コッキング苑と江の島シーキャンドル(展望灯台)を堪能
中津宮の横の階段を登れば開けた広場が。



テイクアウトの飲食店がある亀の岡広場と、サムエル・コッキング苑。
コッキング苑は以前来たときは有料だったのですが、現在昼の部は無料開放しているようです。これはラッキー。

と行っても季節のせいか、咲いている花はあまりなくライトアップ用の電球の方が目立ちます。
咲いているところはまとまって咲いているようです。

この庭園は明治時代にアイルランド人の貿易商サムエル・コッキングという人が別荘とともに熱帯植物を収集して栽培し始めたのが始まり。
本格的なボイラーを使用した温室を造ったりして、その遺構も一部残っているのですが、関東大震災の時に壊滅し、のちに藤沢市が庭園を江の島植物園として再興させました。

サムエル・コッキング氏。
2003年のリニューアルで江の島サムエル・コッキング苑に改称してから江の島シーキャンドルなどを建築し江の島観光の名物の一つとして今に至っています。
せっかくなので展望灯台である江の島シーキャンドルも行ってみます。入場料別途500円。


江ノ島を中心とした相模湾を一望できる見事なパノラマビュー。
天気が良ければ富士山やアルプス山脈も見える模様。今度は晴れた日に来てみたい。
しかし眺め自体は良好ですな。江ノ島の全容が拝めます。
コッキング苑、シーキャンドル共に週末や祝日の夜はライトアップイベントなどで20時まで開園しているそうです。平日は17時まで。夜間イベントは有料入場となります。
御岩屋道通りを経て奥津宮へ
江の島王道ルートもここで半分ほど。御岩屋通りという参道を通って奥津宮、さらに稚児ケ淵、江の島岩屋へと向かいます。

こちらは江の島大師。真言宗である鹿児島の最福寺の別院です。

こちらが景勝地としても名高い「山ふたつ」。

お土産物屋や料理店が並びますが、空き家や廃墟も目立ちます。全盛時と比べると本当に島民人口が減少しているんだなあと一抹の寂しさを覚えます。
青銅の鳥居あたりと違って、観光客の入りもそこまでではないだろうしなあ。
でも江の島の五頭龍伝説はここからが本番っス!
その通り。見えてきました。最後の宮「奥津宮」の鳥居。

頼朝寄進の鳥居という由緒ある門があるこの奥津宮は、龍神も祀られている龍宮(わだつみのみや)も近くにあります。

まずはこの宮の主役、奥津宮に参詣。
拝殿の天井画には八方睨みの亀が掲げられています。原作者は江戸時代の絵師、酒井抱一。奥津宮に現在掲げられているのは複製画であり、原画自体は劣化が激しいため辺津宮奉安殿に収蔵中。原画を見たい方は奉安殿にて有料で見ることが出来ますのでそちらで。
その隣、辰年の人は御照覧あれ。龍神スポットの龍宮。

1993年建造の比較的新しい社殿ですが、格好いい龍神が睨みを利かすのその姿に、龍神のパワースポットとしてのインパクトを感じる方が多く龍神ファンに人気の場所となっています。
今日はここをメインに来たと言っても過言ではない!
いかにも龍神様という威厳に満ちた宮ですね。
まだ龍神を拝める場所はあります。さらに進んで稚児ケ淵へ向かいましょう。
稚児が淵から始まりの地「江の島岩屋」へ


江の島最西端にあたる稚児ケ淵。
ここから南側にかけて相模湾の波で削られた岩壁がぐるりと島を囲っています。
その岩壁のところを全長128mの橋をかけて辿り着く洞窟が江の島岩屋。

江島神社始まりの場所と言われています。

この地において上記で述べた高僧たちが修行の場として籠り、洞窟の奥に龍神を祀って江の島の五頭龍伝説を築きました。
岩屋入るのは初めてだな。ドキドキ。
入洞は大人500円ですね。
古来より神窟や蓬莱洞などと様々な呼び名がありましたが、龍窟、龍穴と龍にまつわる呼び名でも呼ばれてきた江の島岩屋。
過去何度か崩落事故があり、そのたびに立入禁止となってきましたが現在は改修工事、復興工事を受け第一岩屋は152m、第二岩屋は112m公開区間として観光立ち入りを許されています。
第一岩屋を探索し、江島神社発祥の場所へ

江の島に関する資料や展示物が並ぶ人口の洞窟。ここから本洞に入ります。
洞窟内に神秘の池という池があり、そこに与謝野晶子歌碑が。
途中二股分岐のところで係員の方からろうそくを貸与。照明の行き届かない天井に低い奥へと向かいます。込み合っているときは人にぶつからないよう注意。

カメラ越しだとFPS感すごいな。
ダンジョンRPGみたいでワクワクするっス!


狭く低い洞窟の脇には石造物群が。八臂弁財天坐像や弘法大師坐像もあったりします。
最深部に江島神社の発祥の場所と書かれたプレートと共に石仏群が。

ここが江島神社の始まりにして最後の聖地。
しばし拝んで引き返します。ろうそくを返却して洞窟の切れ目の場所へ。

ここから更に橋を渡り、第二岩屋へと向かいます。
第二岩屋にて、ドラゴンにエンカウント
第一岩屋は宗教的な荘厳がありましたが、第二岩屋は音響とライトアップの演出が派手でなんとなくエンタメ感漂う洞窟。

明るくなったり、おどろおどろしいパープル色になったりなかなか凝った仕掛けがされています。
その最深部にはラスボス感あふれる龍のモニュメントが。

ド ラ ゴ ン が現れた!めっちゃ強そう。
確かにラスボスの風格がすごいですね。
ドラゴンとの壮絶なラストバトルを妄想したのち、引き返します。
岩屋は公開区間はここまでですが、本来はもっと奥まであり伝説として富士山風穴を始め、関東各地の洞穴に繋がっているとされています。ロマンがありますね。
江の島は今年一度は訪れておきたい普遍の観光パワースポット
今回巡った江島神社ルートは参詣としては王道のルートですが、
そこまで奥地に行かずとも江の島観光は成立します。
入り口から大型駐車場のある東側道路沿いには飲食お土産物屋がたくさん並んでいて、見ていて飽きないですし、

弁天橋付近には江の島アイランドスパなど温泉施設があったり、江の島ホテルなどの宿泊施設もあって泊まりで江の島やその周辺を楽しむことが出来ます。
弁天橋を渡った内地にはすぐに新江ノ島水族館もあり、
「江ノ電」のニックネームで有名な江ノ島電鉄に乗ってそのまま鎌倉観光を楽しむのにもうってつけの場所です。


それに何より、シラスがうまい!

こちらは御岩屋通りにある江之島亭のいくら釜揚げシラス丼。
この時期は生シラスは不漁なのでなかなか食べることが出来ませんが、暖かくなってくればまた食べられる時期が来るでしょう。
神奈川にお越しの際は龍神様と弁天様、ついでにシラスとたこせんに是非会いに来てはいかがでしょうか。