千葉県のJR千葉駅から内房線上総湊行きに乗り、上総湊駅で乗り換え2駅。
漁港と観光の町「浜金谷駅」はおおよそ1時間半で辿り着きます。
長かった・・・座りっぱなしは地獄だぜ。
観光の基本は長距離移動ですから仕方ないですね。
本日は千葉県南部でも有数の観光地、
鋸山
とその周辺を探検したいと思います。
とはいっても今回が初めてではなく、実は何回も訪れているお気に入りの観光地。
鋸南町浜金谷の魅力はこぢんまりとしながらも山と海の両方を感じられるバラエティーに富んだ観光資源に囲まれているところです。
今回は題して
天国と地獄を観光するツアー
とでも銘打ってお届けしましょうか。
天国はいいけど地獄は遠慮申し上げます。
リアルで地獄を見たいですかね?今すぐ見せてあげましょうか?(ニッコリ)
非常にアップダウンの激しい観光となりそうです。南無。
漁港の町の鋸南町浜金谷と鋸山の魅力を紹介!
鋸山(のこぎりやま)は千葉県南西部の海に近いところに位置する329mの低山。
鋸山は通称で、本来の名は乾坤山と言います。
これでも山無し県千葉では4番目に高い標高で(一番は南房総市にある愛宕山408m)、観光目的の山としては県内随一の知名度と賑わいを誇っている本山。
町を上げての観光の力の入れようはしばしばTVのロケやドラマの舞台にもなったりするくらいで、孤独のグルメ放送時はロケに使用されたお店に行列ができるほどの賑わいを見せました。
その観光のシンボルが鋸山とその山の半分に位置する日本寺。
この標高でロープウェーを持っているのも珍しく、登山をしない人たちでもロープウェーを利用したり、保田方面から車を利用して日本寺観光が手軽にできるようになっています。
鋸山はそれだけでなく、一時は街の経済を支える採石場としても栄えた経緯があり、ただの木と土と石の自然に囲まれた景観の山ではなく、独特の雰囲気を持っています。
その景観は山容だけでなく、登山道もまた独特。
こちらをいくと関東ふれあいの道という割合普通の山道を経て山頂に向かうことになりますが、
左手に車力道という変わった名の登山道があり、そちらが鋸山の特徴をよく表している登山道となります。
今回はそちらに登ってみます。本日は特に登山の格好はしていませんが。
この人は普段から軽登山ならいつでもできる格好をしていますから鵜呑みにしないでください。この山は低山といえどなかなかの登り応えがある山です。
その理由はのちにわかります。
ともかくも動きやすい服装でくることをお勧めします。出来れば登山装備で。
楽をしたいという方は「天国ルート」ロープウェーを利用するのもアリです。
鋸山地獄の運搬道「車力道」をゆく!
329mの低山ながら、見た通りのゴリゴリの登山道。
標高は以前紹介した高尾山の方が上ですが、登りのキツさでいえば断然鋸山の方が上でしょう。
相変わらず独特な登山道だな。
元々は採掘した石を曳き車を使って運搬していた道っス。普通の登山道なら石を階段にするところっスが、石を敷き詰めて坂にして細い車の運搬道を作っていたっス。
坂、とはいうものの滑らかとはいえず、また結構な急勾配。
こんなところをねこ車と呼ばれる曳き車で通っていたというのですから、昔の人力は侮れません。
車力道の由来となる「車力」は、ねこ車を曳く人のことで主に女性が曳手だったそうです。1本80㎏の房州石3本を乗せて1日に3往復もしたとか。
山の歴史というのはほとんどが宗教の歴史が先行してあり、山寺や神社を開山開基したお話になってくるのですが、この山は採掘の歴史もあります。
人ある所に歴史あり。それもかなり変わり種。
鋸山に限らず、炭鉱や鉱山の歴史も調べるととても興味深いと思います。お近くにそういった山があったらぜひ行ってみてください。
天国の見晴らし展望台で絶景を眺める
ここが山頂へ登る道と日本寺へ向かう分岐点。
とりあえずサクッと東京湾を望む展望台に向かいます。
フハーハハハハハッ!!この階段は地獄だぜェ!
コースタイム短いわりに登った感あるんですよね鋸山って。
苦労の末東京湾を望む展望台に到着。素晴らしい眺め。
ここは・・・天国か?
360°見晴らせるから標高の低さが気にならないですね、絶景です。
海の先は少し霧がかっていますがそれでも充分の眺め。
ちなみに東京湾を望む展望台は鋸山山頂(329mの標高点)ではありません。山頂は関東ふれあいの道方面の山の奥の方にあります。
景観はこちらの展望台の方がよろしいのでこちらで休憩を取る人の方が多いです。頂上踏破にこだわりのある人はそちらも行っておきましょう。
この眺めをおかずに山頂飯(正確には頂上ではないが)を頂きます。
さて、今回は登山が目的ではなくついで。
さっきの分岐点に戻り、鋸山の南半分を占めている山寺
日本寺
に向かいたいと思います。
日本寺に向かい登り返し!地獄の参拝道
分岐点まで戻っていったん下って行くことに。
それにしても見事な採石場跡。
以前栃木宇都宮の大谷資料館を見学しましたが、規模は劣るもののそれよりもなお木々の多い山深くに採掘跡はあり雰囲気は神秘的ですらあります。
イーヒッヒッヒッヒッ!登り返しは地獄だズェー!
鋸山って全ての要素を堪能しようと思ったら行ったり来たりでプチ縦走しているのと同じ感じになるっス。結果かなりの歩数を歩くことになるっス。
こうやってじっくり見ると綺麗に切られた採石跡はまるで山城。
山賊が出てきても不思議じゃない雰囲気でいっぱいです。
隊長、あれをみてください。
あれはもしやこれから向かう例のアレ。
ということはここは地獄の底じゃないのかね?
ではこの地獄から這い上がって見せるとしましょう。
というわけで最後のひと踏ん張り。
この地獄の急階段を登り、やっと見えてきました。
ここが車力道からの日本寺の入り口、金谷下山口北口管理所前です。
拝観料大人700円。4~12歳までは400円也。
極楽浄土の日本寺と恐怖と絶景の地獄のぞき
乾坤山日本寺(けんこんさんにほんじ)。
およそ1300年前、高僧行基が遷都と関東開拓大好きな聖武天皇の詔勅によって西暦725年に開山されたお寺です。
鋸山の南半分の広大なエリアを境内にしており、また高低差もあってすべてをお詣りするのにかなりの時間を要します。
現在は曹洞禅宗となっていますが、開山当初は法相宗であり、天台宗、真言宗であった時代もあります。
ご本尊は薬師瑠璃光如来。
世の病気を救う医薬の仏様だそうです。その大仏像は巨大で高さ31.5mは石仏像では日本一。
3年かけて岩山を削って作られたものであり、昭和41年の修復には4年の歳月が費やされました。
そしてここ北口山頂エリアにも巨大な観音像があります。
百尺観音。
石切場跡を再利用して昭和41年に完成した観音像です。
世界大戦殉死者と東京湾近辺の陸海空の交通犠牲者の供養のため作られたそうだ。
こんな高い場所に・・・石切場跡の見事さもあって荘厳です。
交通安全の守り本尊。
そしてここからすぐ先のところに、
やってきました「山頂展望台」。
ここから谷の先っちょを覗くのがいわゆる観光名物「地獄のぞき」です。
地獄気持ちイー!眺望サイコー!
ちょwwwwその反応全然地獄じゃないっス!
柵があるので実際立ってみるとなんてことはありません。むしろ傍目に横から見た方が怖いです。
ただ高所が苦手な方はやっぱり怖くて足がすくんでしまうかも。
中腹の大仏エリアまでくだり極楽の広場へ
しばらく下へ階段を下り、
西国観音などの観音群を途中お参りしながら、
日本寺のメインエリアにやってきました。
大仏広場の薬師瑠璃光如来本尊。でかい。
ここは・・・・極楽じゃないか?
解放感いっぱいです。そして何より売店(お守り販売)と飲料自販機があります。
山の中に自動販売機。貴重です。
とりあえずお詣り。売店でお願い地蔵の形代と紫陽花鈴のお守りを購入。
この地蔵の裏に名前を書いて、お願い地蔵様に願い事を祈願します。
お頼み申します。
そして本願である薬師瑠璃光如来の大仏様にお詣り。
この齢になると体が資本なので健康を真剣にお願いしておきます。
この広場から来た道を逆手に回り、滝や観音様を拝みながら
こちらのロープウェー方面の管理所からロープウェー乗り場へ向かいます。
地獄の肉まんから絶景のロープウェーへ
歩くこと10分ほど。
ロープウェー乗り場にやってきました。
ここからの景色は地獄のぞきや東京湾を望む展望台に負けず劣らず最高の景色。
こちらの中は小規模ながら鋸山資料館もコーナーに設けられていて、いろんな情報がパネルで飾ってあったり実際に使用された道具が展示されています。
奥には軽食&お土産物。こちらでラーメンやうどん、カレーなどの提供があり、景色のいいランチを楽しむこともできちゃいます。
コーヒーやアイスなどもあるので休憩にも最適。
一階部分はロープウェー乗り場「山頂駅」。お土産物とテイクアウトの食べ物販売のコーナーもあります。
ロープウェーのチケットもこちらで販売。片道650円。往復だと少し割引があって1200円です。
鋸山名物地獄まんを購入して食らう。
ウームこれはめちゃうま・・・・イヤ地獄!モグモグ。
すごい色の見た目と反して甘辛の具材たっぷりの美味しい饅頭です!
ロープウェーは15分間隔でこの時期は9:00から16:00まで運営しています。
ヤッホウ!この絶景は天ご・・・・・あえ?
あっという間の天国乗車。
眺めは最高ですが標高が低いせいかすぐ地上についてしまうのが玉にキズ。
山麓駅にはトイレお土産物屋が併設されています。近くには民宿やカフェなども点在。
直営駐車場もあり自家用車で来ることもできますので、車でお越しの際はぜひ利用してみてください。
鋸山ロープウェー
- 通常(2月16日~11月15日)9:00~17:00
- 冬季(11月16日~2月15日))9:00~16:00
- 通常15分間隔で往復運行(混雑時は時間短縮で運行)
旅客運賃(消費税込み運賃)
- 大人(中学生以上)片道650円。往復1200円。
- 小児(小学生)片道320円。往復600円。
- 団体客割引あり(25名以上。普通団体、学生団体によって異なる。)
- 特殊割引あり(各種手帳要提示)
山麓駅、山頂駅ともに売店、トイレあり。山頂展望食堂(2階)あり。
鋸山ロープウェー株式会社
- ☎0439-69-2314
- Fax:0439-29-7722
- 受付時間9:00~17:00
- 公式ホームページhttp://www.mt-nokogiri.co.jp/pc/p010000.php
海沿いの道にある浜金谷の施設、飲食店を一部紹介
ロープウェー乗り場は本日下車した浜金谷駅からみて、内房なぎさライン沿いに左手に行ったところですが、
反対側の右手方面に浜金谷と久里浜港を結ぶフェリー乗り場(東京湾フェリー金谷港)があります。
こちらにはフェリー客を目当てにした商業施設、飲食施設が多く集中しており、ここでお土産物の物色や食事を楽しんでもかなり時間をつぶせる場所かと思います。
海の景色を眺めながらのんびり散歩してそちらに向かいます。
磯の香りが最高っス。今まで山にいたとは思えないっス。
海沿いにはいろいろな店や施設が並んでいます。こちらはTVドラマで有名になった漁師めしはまべ。
屋外プールの金谷海浜公園にこれまたTVで何度か取り上げられたさすけ食堂。
カジメラーメンや黄金アジフライがおいしいと評判の2店です。
はまべもさすけも毎回前を通るのですが、営業しているところははまべが一回行列作っているところしか見たことがありません。
有名店なので時間があれば一度は並んででも食べてみたいもの。
ベイサイド金谷というコテージ型のホテルもあります。海の真ん前なのでロケーションは間違いなく最高でしょう。
バーベキューもできますが、レストランも併設されているので手軽に豪華な食事を楽しみたければ外食を利用するのもあり。
もちろん宿泊客でなくとも利用可能。ただお値段はお高めらしいですw
こちらの回転寿司屋は地魚鮨船主総本店。
回転寿司ですがアジフライもおいしいと評判なお店です。
そのままV地路の右手側127号線を進めば鋸山美術館などもあります。興味があれば寄ってみてください。
そして左手のこちら側の駐車場のある大きな商業施設が海鮮レストラン「ザ・フィッシュ」を始めとする飲食店、お土産物屋群。
浜金谷のお土産物はこちらで購入すれば間違いなし。フェリー利用の際はもちろん、電車や車での帰りの際のお土産もこちらで。
そして。
毎回私がランチにお世話になっているお店がこちら。
房総産地魚料理を取り扱っている「金谷食堂」。
公式ホームページはこちら
今回も性懲りもなくこちらで天国を味わっていきたいと思います!
ここのアジフライはマジで美味しい。ホントに美味しい。
行きつけの食堂で「天国」の定食を食らう!
営業開始は11時。
12時少し前の来店で、まだ満員ではなかったのですぐに通されました。
以前はお昼時に行って30分以上待ったこともあります。その際は店内での機械で受付、整理券発行で待つこととなります。
ベンチがありますがお店の前は陽当たりが良く、それだけに夏場での行列は過酷です。
事前予約はできないので、整理券を受け取って時間かかるようならお土産物屋に少しの間退避するのも手かもしれません。
炎天下の間待つ覚悟なら日傘必須。
夏場の人気飲食店は・・・地獄ッ!
間違いないですね。それだけに入店した後は天国ですが。
メニューは豊富で、季節や日替わりで地魚が違うものとなっています。
価格設定はお気軽に毎日食べれるものではないですが、観光客相手の飲食店ならまあ普通かと。
このお店に限らず、漁港に近いせいもあっておそらくどのお店も素材が良くておいしい海鮮が味わえるようになっています。大通り沿いのお店だけでなく、個人で経営しているしているような小さな食堂も負けず劣らず美味しそうなメニューを並べていてとても魅力的。
だから浜金谷を訪れるたびにいろんな飲食店や海鮮を食したくなるのですが、
結局いつも落ち着くのはこのお店、この定食。
金谷食堂の看板メニュー「金谷定食」。
ごはんに味噌汁、刺身、漬物、冷や奴。それに地魚料理を煮付け、焼き魚、ミックスフライの3種から一品選択出来る豪華絢爛な人気定食。
色々な魚料理を味わいたい、でも注文はシンプルにしたいという方には最高の欲張りメニューになっています。
ごはん大盛りあり(有料)。味噌汁→あら汁変更あり(追加料金)。
今回自分は味噌汁をあら汁に変更してもらっています。出汁が効いて最高の一品。
う~ん♡これは天国ループ。
勝確の極上ランチっス!1月に1回の贅沢っス!
単品料理も豊富で郷土料理のなめろうやさんが焼きもありますが、定食が大ボリュームでおなか一杯。
天国ランチ、ごちそうさまでした!
登山に石切場跡観光にお詣りにロープウェーに、海鮮料理食べ歩きや、やろうと思えば舟遊びに釣りまでも。
近くにはキャンプ場もいくつかあり、アウトドアをするのも適していて温泉旅館やホテルなどの宿泊施設も盛りだくさん。
鋸山を中心とした海と山の町、浜金谷は観光天国です。
田舎然としたのんびりな雰囲気が続くのどかな漁港の町ですが、
一度訪れたら色々な顔を持つこの町の魅力に虜になるかもしれません。