早口言葉ー
一定の言葉を出来るだけ速く、よどみなく、誤りなく読み上げる言語遊戯。またそれに用いる語句や文章ー
(Wikipediaより)
この竹垣に竹立てかけたかったのは竹立てかけたかったから竹立てかけかけたのです!
蛙ピョコピョコ三ピョコピョコ、合わせてピョコピョコ六ピョコピョコ!
新進シャンソン歌手出演新春シャンソンショー!
豚が豚をぶったらぶたれた豚が、ぶった豚をぶったので、ぶった豚とぶたれた豚がぶっ倒れた!
子供のころ、クラスメイトとラップバトルならぬ早口言葉バトルのような遊びが流行ったりしたことはありませんか?
私の小学生のころ、クラスでなぜか大流行していた時期がありました。
活舌の悪い私はランキング下位をうろちょろしていましたが、一時期休み時間の度に上記のような早口言葉が教室中を罵詈雑言のごとく飛び交ったものです(遠い目)。よそのクラスから見たらよっぽどガラの悪いクラスだと思ったに違いない。
そんな早口言葉、日本においては江戸の歌舞伎の口上台詞より始まったとされています。
しかしただの遊びと思うなかれ。
大人になってもなかなか役に立つ遊びです。しかも職業や年齢によっては重要なトレーニングになったりします。
今回の記事では早口言葉の特集と、その有用性をフィーチャーしたいと思います。
年齢を重ねれば重ねるほど衰える言語化の機能
子供にとっては未成熟な発音、発声の練習、記憶力の向上、言語化能力を鍛えるなど実際にゲームを通して鍛錬できるきわめて合理的な遊びです。
逆に成人になり、齢を重ねるごとに言語化能力、口腔機能が衰えてきたときに維持のためのトレーニングとして役立つのが早口言葉。
筋トレや脳トレはよくやる、という人もいるかと思いますが
「言語のトレーニングをやる」
という人は役者やアナウンサーのような活舌が必須の職業の方以外は普段あまり意識しないのではないでしょうか。
認知症予防の一環として散歩やゲームなど行うのと同じように早口言葉を習慣として行うと効果的とされています。
コミュニティーを形成して会話をしたり、話し方を学んだりする訓練法もありますが、早口言葉は一人でも手軽にできるのでマウストレーニングとしては最もおススメです。
発声をする、ということはそれだけでも脳の活性化、ストレスの緩和、口周りの筋肉のトレーニングになります。歌を歌ったりするのも一つの手ですが、カラオケなどの設備が必要だったりする手間やコストが一切ないお手軽さが早口言葉の強み。
早口言葉はどんなものがあるのか?できる限り調べてみた。
この記事で取り上げるにあたって早口言葉を主に4つのカテゴリに分けてみました。
- 昔から伝わる古典的な早口言葉
- 既存の早口言葉の類似系、発展系、変化系
- 現代の創作早口言葉
- 繰り返しで難易度を上げる短い早口言葉
早口言葉は古今東西数えきれないほどあり、また地域や時代によっても同じ早口言葉なのに微妙に言葉尻が変化してきたりしています。
また、言いづらい言葉を上手く繋げて発声するゲーム性から、元にあった早口言葉をアレンジしてより難易度を挙げたり、新たに自分で考えたオリジナルを用いてトレーニングすることが出来るという自由度も早口言葉の面白いところです。
それぞれのカテゴリでどんなものがあるのか、一部紹介していきます。
古典的な早口言葉
生麦生米生卵(なまむぎなまごめなまたまご)
隣の客はよく柿食う客だ(となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ)
この釘抜き引き抜きにくい(このくぎぬきひきぬきにくい)
赤巻紙青巻紙黄巻紙(あかまきがみあおまきがみきまきがみ)
すももも桃も桃のうち(すもももももももものうち)
庭には2羽ニワトリがいる(にわにはにわにわとりがいる)
坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた(ぼうずがびょうぶにじょうずにぼうずのえをかいた)
東京特許許可局(とうきょうとっきょきょかきょく)
裏の竹垣に誰竹立てかけた(うらのたけがきにだれたけたてかけた)
殿様の長袴(とのさまのながばかま)
お綾や親にお謝りお綾やお湯屋に行くと八百屋にお言い(おあややおやにおあやまりおやあやおゆやにいくとやおやにおいい)
長町の七曲がり長い七曲がり曲がってみれば曲がりやすい七曲がり(ながまちのななまがりながいななまがりまがってみればまがりやすいななまがり)
聞いたことがある定番の早口言葉ですが、馴染みがあるからといって簡単とは限らないのが古典の奥深さです。
まずはここら辺をマスターしてみんなにドヤ顔できるようにしましょう。
類似系、発展系、変化系の早口言葉
<色シリーズ>(赤巻紙系)
- 赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ(あかぱじゃまあおぱじゃまきぱじゃま)
- 赤カピバラ青カピバラ黄カピバラ(あかかぴばらあおかぴばらきかぴばら)
<カルビシリーズ>
- 炙りカルビ(あぶりかるび)
- 歩き炙りカルビ(あるきあぶりかるび)
- 赤炙りカルビ青炙りカルビ黄炙りカルビ(あかあぶりかるびあおあぶりかるびきあぶりかるび)
- カビるカルビにかぶりつく(かびるかるびにかぶりつく)
<三六シリーズ>(カエルピョコピョコ系)
- どじょうにょろにょろ三にょろにょろ あわせてにょろにょろ六にょろにょろ(どじょうにょろにょろみにょろにょろ あわせてにょろにょろむにょろにょろ)
- 菊栗菊栗三菊栗 あわせて菊栗六菊栗(きくくりきくくりみきくくりあわせてきくくりむきくくり)
- 武具馬具武具馬具三武具馬具 合わせて武具馬具六武具馬具(ぶぐばぐぶぐばぐみぶぐばぐあわせてぶぐばぐむぶぐばぐ)
<生〇系>
- 生なまず生なまこ生なめこ(なまなまずなまなまこなまなめこ)
- 京の生鱈 奈良の生まな鰹 生米生麦生卵(きょうのなまだらならのなままながつおなまごめなまむぎなまたまご)
<特許局系>
- 農商務省特許局 日本銀行国庫局 専売特許許可局 東京特許許可局(のうしょうむしょうとっきょきょくにほんぎんこうこっこきょくせんばいとっきょきょかきょくとうきょうとっきょきょかきょく)
- 東京特許許可局長今日急遽休暇許可拒否(とうきょうとっきょきょかきょくちょうきょうきゅうきょきゅうかきょかきょひ)
定番のものを更に難易度を上げて別の早口言葉にしています。
まずはゆっくり区切りながらはっきり発音して始めるのがコツっス。慣れてきたらだんだんスピードを上げていくっス。
最近の創作早口言葉
バナナの謎はまだ謎なのだぞ(ばななのなぞはまだなぞなのだぞ)
マグマ大使のママはマママグマ大使(まぐまたいしのままはまままぐまたいし)
ヒマラヤで平山あや平謝り(ひまらやでひらやまあやひらあやまり)
シチューは死守しつつ試食し視聴中(しちゅーはししゅしつつししょくししちょうちゅう)
レモンとメロンとルミオンとルミオロメン(れもんとめろんとるみおんとるみおろめん)
マダガスカルはまだ助かる(まだがすかるはまだたすかる)
ブラジル人のミラクルビラ配り(ぶらじるじんのみらくるびらくばり)
まれに見るミレニアムアルミニウム(まれにみるみれにあむあるみにうむ)
パパママただただ豆まきまくる(ぱぱままただただまめまきまくる)
カナや人名、固有名詞を混ぜ込んで見た目的にも非常に言いづらそうな早口言葉が並んでいます。
漢字が並ぶと混乱しますが、同様に似たようなカタカナが並ぶと脳が混乱しますね。
リフレインで難易度が上がる短文早口言葉
バスガス爆発(ばすがすばくはつ)
シャア少佐(しゃあしょうさ)
僕ボブ(ぼくぼぶ)
さらばだタラバ(さらばだたらば)
書写山の社僧正(しょしゃさんのしゃそうじょう)
生バナナ(なまばなな)
神アニメ(かみあにめ)
油アルバム(あぶらあるばむ)
老若男女(ろうにゃくなんにょ)
パン壁(ぱんかべ)
今日窮屈な靴売る(きょうきゅうくつなくつうる)
孫がままごと(まごがままごと)
生バナナまなばななばなま・・・・ああああああああっつ!!
シンプルゆえに活舌が問われます。日常の言葉でも言いにくい言葉ってありますよね。
まとめ:早口言葉は頭と口の健康トレーニング!毎日やってみよう!
意識して早口言葉をやってみると、いかに口の運動をサボっていて日常会話の活舌が良くないか自分でもはっきりわかってきます。
早口言葉において大事なのはまず腹式呼吸。
しっかり腹から声を出さないと、一音一音がうまく発声できません。早口言葉をトレーニングすることで口周りだけでなく腹筋にもしっかり効いてきます。
もう一つ大事なのは表情筋、とりわけ唇のまわりの筋肉である口輪筋(こうりんきん)。
この筋肉が鍛えられていないとはっきりした活舌をキープできないので、毎日しっかりトレーニングしましょう。「あいうえお」を準備運動として大きく口を動かしながら発声するととても効果的です。
初めのうちは口周りが疲れてうまくついてこないかもしれませんが、繰り返し毎日行うことで口腔機能がUPします。頑張りましょう。
やってみるととてもお手軽で楽しい早口言葉。お金も時間もかかりません。
口を動かして発声することで脳への刺激にもなりますし、あごのぜい肉や頬のたるみの対策もなり、美容にもとてもいいトレーニングで女性にもおススメです。
ひっそりと一人で、でもいいですし、友達や家族と早口言葉バトルを繰り広げて心の底から笑いあえばとても楽しい時間を過ごせると思いますよ。