今年に入ってからというものの、所有している投資信託の運用益の調子がとみに良い。
NISA開始直後から始めている人は勿論のこと、
自分と同じように去年から、あるいは今年から始めた人もそれなりに含み益があってホクホクな人も多いのではないでしょうか。
運用益+20%・・・・・うしししし。
キモいっスね。まだ始まったばかりで一喜一憂してどうするんです。
もちろん、暫定の利益で喜ぶのは早計。
しかも米国の利上げが開始されてからというもの、実際の米国株価は横ばいでダウもナスダックも同じようなところを行ったり来たり。
21年末の最高値を更新できていないのが現状です。
(NYダウは$36,952.65、NASDAQは$16,212.229が共に最高値)
現在の投資信託の利益はひとえに円安による為替差益。
利上げから利下げに転じた時、現在の円安がどう転ぶか。
大方の予想としては円高に転じるのではないかとも言われています。リセッションもどうなるのか。
しかしオルカンを買っておけば間違いない!オルカン最強!
・・・・・どう最強なんでしょうか?
・・・・・・・え?
ちゃんと自分の投資先の中身を知ってます?
えーと、アメリカ企業の割合が6割で、後は先進国と新興国で・・・大体半々くらい?
とりあえず、世界の優良企業の大半に投資できるってことは何となくわかります。
何となくではダメですよ。「みんなが勧めるから」「人気商品だから」で投資をしてはいけません。ちゃんと自分で投資先のことを詳しく知りましょう。
だそうです。
今回は自分が主力投資先としているeMAXIS Slim全世界株式、通称オールカントリーのことを徹底的に調べてみることにします。
本当に一連托生に値する商品なのか。
この投資信託の本当の強みと魅力はどこにあるのか。
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eMAXIS Slim全世界株式という投資信託の全容
現在、インデックス投資信託として1、2を争うほどに人気の金融商品は、MUFG三菱 UFJ国際投信(2023年10月1日に三菱UFJアセットマネージメントに商号変更予定)より2018年10月31日に基準価格10,000円で販売されました。
全世界の株式市場を対象としたMSCIオールカントリー・ワールドインデックスという株式指標と連動することを目標として運用されています。
現在の純資産総額は1兆4700億円余り(2023年9月現在)
対象インデックスの国・地域別構成比率は以下の通り。
※出典:MUFG三菱 UFJ国際投信 2023年9月8日交付目論見書より。
実にアメリカが六割以上に及んでいます。
他、日本が5.5%、イギリス3.8%。フランス3.2%にカナダが3%というのが先進国の主な国別の内訳となっています。
GDP4位に位置するドイツがその他扱いなのは意外です。株式市場はそれほど大きくないんでしょうか。
新興国は中国3.6%と最も比率が高く、次いで台湾1.7%、インド1.4%となっています。
先進国の割合は89.1%と9割近くを占め、新興国は1割程度の構成。
市場の大きさを見れば先進国の動向、とりわけアメリカの株式市場の浮沈によってかなり左右される金融商品と言えます。
原則として為替ヘッジは行わず、株価指数以外の為替市場の値動きにかなり影響を受けます。
最もオルカンに限らず、外国市場の金融商品を購入するときはこれを承知の上で購入しなければならないので、市場の動向を加味してご検討ください。
追記:2024年最新のオルカン事情の記事を書きました!よろしければ是非!
オルカンの株式別の内訳はどういったものなのか?
‟さて、始まりました。毎度お馴染み「レベル3の村人より賢いの?」のお時間です。”
は?なに唐突に?何かのテレビ番組みたいな・・・・
私がレベル3の村人です。よろしくお願いします。
え?あなた村人だったの?村人なのにレベル3?
はい。村人のくせにレベル3です。
ノビ(冒険者)>レベル1 モブ(村人)>レベル3
・・・・・・・・・・・
‟では第一問。オルカンの国別構成比率No.1はアメリカ。では株式別組入上位銘柄No.1は?”
そんなん決まってる。日本が誇る大企業、我らがTOYOTAじゃ・・・・
‟ブーーーーーーー!!不正解です!”
Appleです。
‟正解!”
えええええええええ??????
インデックス投資信託の組入銘柄は原則時価総額比率によって構成されていて、そのうちオルカンのTOP10は以下のとおり。
- Apple 4.2%(アメリカ)
- Microsoft 3.4%(アメリカ)
- Amazon 1.6%(アメリカ)
- NVIDIA 1.1%(アメリカ)
- ALPHABET A 1.0%(アメリカ)
- ALPHABET C 0.9%(アメリカ)
- META 0.8%(アメリカ)
- EXXON MOBIL 0.8%(アメリカ)
- UNITEDHEALTH 0.7%(アメリカ)
- TESLA 0.7%(アメリカ)
実に上位10社で14.3%を占めており、すべて米国企業です。アメリカ経済の強さがわかる組入銘柄となっていますね。
ちなみにノビさんおススメのTOYOTAは日本株の中ではトップの4.2%を占めますが、5.5%の市場の中の話なので全体からするとAppleの20分の1ほど。
これって結局全世界株と言ってもアメリカ株を買ってるも同然じゃ・・・
現状ではその通り。
株式市場というのは実質アメリカが半分以上を牛耳っていて、人気の投資信託は全てアメリカ経済中心のものとなっています。
だからS&P500や全米株式などに投資するのも決して偏った投資とはなりません。現在においてはアメリカ市場を核に置いていれば一つの最適解といえます。
オルカンがもしそれらと別の強みを持つとすれば、他の国の企業が現在の組入銘柄を凌ぎ始めた時ですね。
つまりアメリカ市場が振るわず、他の地域や企業が取って代わるまでになったときオルカンはリスクヘッジとしての効果を発揮するわけですが、その時オルカンの価値が現在の位置にあるかどうかはまた別の問題。
あくまでインデックス投資としては現在一番バランスが良いというだけの商品なので過信は禁物です。投資はあくまでその時々の自己責任、自己判断。
優良商品を買ったからと安心せず、常に市場を注視しておくのが賢明です。
オルカンの費用対効果、コストはどれだけ優秀なのか?
‟第2問。”
‟e-MAXIS Slim全世界株式の売買手数料及び信託報酬、信託財産留保額は?”
・・・・フフフ。これはわかるぞ。私を侮るなよ。NISA対象の投資信託はノーロード、つまり売買手数料は無料だ!そして信託財産留保額もなし!かかるコストは信託報酬0.11330%のみ!どうだ!
・・・・・・・・・・・・
‟ブーーーーーーーーーーーーーー!残念ッ!惜しい!不正解ッ!”
ええっ⁉うっそでしょ?ちゃんと合ってるはずじゃ・・・・
正解は信託報酬年率0.05775%(税抜年率0.0525%)です。2023年9月8日以降信託報酬が値下げされたんですよ。
ガーーーン!知らなかった・・・・。
MUFG三菱 UFJ国際投信が販売するe-MAXIS Slimシリーズは、同種同系統の投資信託の中で業界最安値を目指すことを以前より公言しています。
この度野村アセットマネジメントより7月10日に信託報酬0.05775%の全世界株式「野村ーはじめてのNISA・全世界インデックス(オールカントリー)」が発売されるに及んで、業界最安値の牙城が崩されました。
それに対抗して9月8日より信託報酬を同程度まで値下げして、業界最安値を目指すという公約を守ったわけです。
ここは人気シリーズ販売元の面目躍如。こういった競争はユーザーにとってはありがたいですね。
気になるのは隠れコストです。以前も実質は運用管理費用などで0.11330%より若干の上乗せがありました。(推定総コスト0.15%程度)
今回のコストはまだ判明していないので正確なところはわかりませんが、0.1%程度まで抑えてくるのではないでしょうか。
長い目で見ればだいぶ違いが出そうです。
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投資信託のリスクは何があるのか?
“では最終問題。”
‟オルカンに限らず、投資信託には投資リスクがありますが、主なリスクを5つ挙げよ。”
・・・・・・・・・・・
どんな優良商品であろうと投資というものはリスクはつきもの・・・・投資のリスクとは・・・・・
ズバリ!価格変動リスク!為替変動リスク!信用リスク!流動性リスク!カントリー・リスクの5つ!どうだ!(クワッ)
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・‟正解!!パーフェクトです!”
ファンドの基準価格の変動要因として、主なリスクは以下の5つとされています。
価格変動リスク | 企業の活動や業績、市場、経済の状況等を反映して常に上昇下落の影響を受ける。 |
為替変動リスク | 組入外貨建資産は原則為替ヘッジを行わないので為替変動の影響を大きく受ける。 |
信用リスク | 組入有価証券発行者や、関係取引先の経営・財務の悪化により有価証券等の価値が暴落もしくは消滅する。 |
流動性リスク | 有価証券等の売却及び取得をする際、市場に需要供給の不足、もしくは取引規制等により通常の取引が行えず、市場実勢に添えない場合がある。 |
カントリー・リスク | 国家による重大な政治問題や政府のデフォルトなどによる経済破綻などで市場が影響を受け、上記4つ(価格変動・為替変動・信用・流動性)のリスクが大きくなる可能性がある。 |
※これらは主要なリスクであり、他のリスクも受ける可能性が常にあります。
まとめ:優良金融商品だからこそ、細部まで把握してリスク管理を。
おめでとうございます。完敗です。
いや、先に2問取られてるけども。
投資におけるリスクを心得ていることこそ、一番重要です。皆が買ってる投資信託、皆がやってるNISAだから、と流されないこと。リスクを把握していれば何が一番大事か見えてくるはずです。これからも精進を怠らないように。
SBI証券では常に投資信託の販売金額人気ランキングの1位を獲得しているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)。
これからもその人気に応えた素晴らしい運用を期待したいです。
購入者のほうもまた同様。
販売元、組入企業、指標を過信せずに常に市場の良き監視者であるようにしましょう。
そのための勉強を惜しまずに来年の新NISAに臨みたいですね。
追記:2024年最新のオルカン事情の記事を書きました!よろしければ是非!
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