茨城県の県庁所在地がある水戸市の主要駅水戸駅から鹿島臨海鉄道大洗鹿島線を経て3駅。
太平洋の穏やかな気候に包まれた海岸近くの大洗駅を降りると、片田舎ながら綺麗な街並みが広がる港町にたどり着きます。
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町。
海沿いの広い道路が続いていてバイカーやサイクリストの聖地でもあります。
そしてガルパン。(大洗駅ホーム階段下)
それだけでなく、海岸沿いと市街の森林に「大洗サンビーチキャンプ場」「大洗キャンプ場」の2つの大きなキャンプ場があるキャンパーにとってのメッカ。
ついでにガルパン。(大洗磯前神社)
町の最北端には、全国屈指の規模であるアクアワールド大洗がある魚フリーク垂涎の町でもあります。
パンツァー・フォ〜🎵(2017年商店街某所にて撮影)
隙あらばガルパンかよ!
まあ、そういう町だからね。仕方ない。
何よりここ10年余りはアニメ「ガールズ・アンド・パンツァー」という戦車道アニメの聖地として知られ、ガルパンおじさんと言われるいわゆるアニメの信者が聖地巡礼に訪れ賑わうことが多い町です。
大洗町の面白さはそれに対して町を挙げて全力で応えたことでしょう。
商工会はもちろん、行政も後押しして観光の目玉の一つとしてアニメ放映以来継続してプッシュしてきています。街全体がガルパン聖地化している徹底ぶりに初めて訪れる人はドン引き・・・もとい当惑すること間違いなし。
そんな大洗を日帰り観光してきました。
当方アニオタかどうかは微妙なところですが、ガルパンおじさんには片足突っ込んでいます。大洗観光は常連と言ってもいいくらい。
茨城県最大の水族館「アクアワールド大洗」を観光!
綺麗な駅舎に異質すぎるパネルまみれのバスターミナル前から市内循環バス「海遊号」で高名なアクアワールド大洗に向かいます。
ちなみに循環バスは2種類あり、海遊号は大洗駅を中心にアクアワールド大洗からサンビーチ海岸までぐるりと回り、もう一つじんぐりバス「なっちゃん号」が夏海、松川、神山方面を平日のみ運行しています。
こちらが海遊号限定の1日フリー乗車券。大人200円也(小人100円)。
この手の観光目的の交通機関フリーチケットでおなじみ、特別割引券付き。
大洗を電車で訪れ、水族館以外にもいろいろ観光するのであれば間違いなく必須のチケット。
海遊号は1回乗車につきどこで乗降しても大人100円(子供50円)なので、2回乗れば元が取れる上に表示されている各種施設、
にて割引が適用されてとってもお得。
水族館割引だけでもペイできてしまうので、バス利用の際は運転手さんから1日乗車券を是非ゲットしましょう。
ちなみにバスでなく自分の足で大洗の町を縦横無尽に駆け回りたい!という元気な方は、大洗駅すぐ隣に併設されている大洗観光情報交流センター「うみまちテラス」にてレンタサイクルが借りられるのでそれを利用するのも手。
海沿いを自転車で走るのは心地よく、自転車乗りも訪れることの多いこの地でレンタサイクルで観光するのはなかなかグッドな選択だと思います。
こっちやってみればいいのに~w。
泊りならね。日帰りは残念ながらスケジュールと体力がね。
大洗は民宿、旅館、ホテルやキャンプ場など多様なスタイルで宿泊できる場所が多くあるので、日を跨いで楽しみたい方にもおススメの観光地です。
アクアワールド大洗の名物たちを鑑賞してみる
来たぜ、アクアワールド。ここで劇場版冒頭の死闘の結末が・・・
はいはい、ガルパンよりも先にお魚見ましょーね。
アクアワールド大洗、旧茨城県大洗水族館は2002年に大幅なリニューアルを敢行し、日本屈指の大型水族館として生まれ変わりました。
年間100万人が訪れるという大洗の観光の目玉であり、学校の遠足などの定番スポットでもあります。
大人1枚2,300円。からの乗車券割引200円。完全に乗車券の元とった。
割引は自動券売機からできないので、窓口で直接受付の方にバスチケットを提示して購入するようにしてください。
大小約60の水槽に580種いるというさまざまな海生生物たちを観覧してきます。
アクアワールド大洗はイルカやアシカ、ペンギンなどの海獣、海鳥も観察でき、ショーも開催されるほどの規模間を持った広大な水族館ですが、何といっても目玉は水族館のシンボルであるサメでしょう。
現在60種いるサメを飼育しているだけでなく、繁殖にも力を入れておりここでしか見られない珍しいサメもいたりします。
国内初の単為生殖(メスのみで繁殖すること)で生まれたトラフザメもその一種。
他、海のでくの坊の代名詞マンボウも見どころです。大きな水槽を悠々と泳いでいます。
アクアワールド大洗は生きている海洋生物だけでなく、シャークダディズルームというエリアにあるサメ関連の展示コーナーも充実していて、海の生き物が好きな人だけでなく学術的な観点からもとても興味深い施設です。
エリアごとの楽しみも多くイベントも満載で、テラスのあるフードコートやカフェもそろっています。それこそ誇張なく1日中楽しめる水族館。
お土産物ショップも魅力的な限定商品が多数販売されていて、入場口手前のスーべニアショップ モラモラと館内の上記で紹介したシャークダディズルーム(Ⅾエリア)の2か所に分かれています。
それぞれそこでしか買えないものがあるのでグッズマニアはお買い忘れのないように。
この水族館だけでも大洗に観光に来る価値はあると思いますよ。
大きな無料駐車場や年間パスポートもあって水族館が好きなファミリー層のリピーターがたくさんいるっス!
大洗町及び周辺の観光スポットをいくつか紹介
那珂湊おさかな市場
まずアクアワールドの北側すぐ那珂川を渡り、ひたちなか市に入ると那珂湊おさかな市場があり、近くの那珂湊漁港から上がった新鮮な魚介達が所狭しと並んでいます。観光客の方々で常に賑わい、お土産を買うのにも適した大きな市場。
もちろん食事処も多数あり、活きのいい海鮮丼が食べられます。
水族館でも海鮮丼が食べられますが、せっかくなので毎回こちらの市場まで来て食しています。美味しいです!
大洗魚市場エリア
こちらは大洗漁港周辺のサンビーチ通り、海鮮自慢の食事処がいくつも集まる観光飲食街。
大洗にはいくつも海鮮やあんこう鍋を取り扱っている和食店がありますが、ここ一帯が一番お店が集中していて観光客もここで食事をする人が多いです。
大洗で食い倒れをするのであれば是非こちらを訪れましょう。新鮮な海鮮のお土産物も多数販売しています。
かねふく めんたいパーク大洗
言わずと知れた明太子の老舗、かねふくの明太子のテーマパーク。
福岡市を本拠とするかねふくですが、めんたいパークは関東(大洗、群馬)東海(伊豆、とこなめ)近畿(びわ湖、神戸三田)と主に本州にかけて展開しています。
併設されている工場の見学から直売の明太子ショップ、明太子を味わえるフードコーナーから子供が遊べる明太子ギャラリーまで。これでもかというくらい明太子の魅力を直に堪能できます。
明太子が好きな方は是非行ってみるべし。明太子をアテに呑むのが好きなそこのお父さん、あなたですよ!
幕末と明治の博物館(大洗キャンプ場)
大洗の巨大林間キャンプ場「大洗キャンプ場」のその奥にひっそり佇む幕末と明治の博物館。
何といっても茨城水戸は幕末旧水戸藩として尊王思想を掲げた攘夷の総本山であり、徳川幕府最後の将軍徳川慶喜の生家として明治維新前後の動乱に深く関わっています。
興味深い重要文化財が多く展示されており、幕末好きは行って損なし。
上記のバスフリーチケットの割引対象施設なので提示すれば安く入場できます。キャンプ利用者は観光施設の中では最もお手軽に利用できるので、キャンプファイヤーを始める前に歴史に思いを馳せてみるというのも乙なものかもしれませんよ。
ゆっくら健康館、潮騒の湯
旅行者、バイカー、サイクリスト、キャンパーはもちろん地元の人も大勢利用する健康福祉センター「ゆっくら健康館」。
夏の海水浴帰りや、キャンプ利用時などに非常に重宝します。ジムやプール、ゆっくら亭という食事処あり。
さらに南に行くと天然温泉「潮騒の湯」があります。こちらは日帰り入浴だけでなくペンション型の宿泊施設あり。
より観光客向けの温泉施設としてリッチな作りで利用しやすくなっています。その代わりゆっくら健康館より利用料金は少しお高め。
キャンプ場をよく利用するので大変重宝しています。大洗キャンプ場はゆっくら健康館、大洗サンビーチキャンプ場は潮騒の湯と結構使い分けていますね。
その他にも
- 大洗わくわく科学館(バス一日乗車券で割引)
- 大洗サンビーチキャンプ場
- 大洗サンビーチ海水浴場
- 大洗シーサイドステーション
- 大洗マリーナ
など広い土地を利用した商業施設や、海の立地を生かしたアクティビティなど様々なレクリエーションが楽しめるスポットが満載なので興味があったら是非訪れてみてください。
有名な映えスポット!大洗磯前神社を参拝!
大洗のパワースポットとして非常に有名な大洗磯前神社。
海にむき出しの鳥居がある「神磯の鳥居」が日の出の観光スポットとしても知られています。
856年に祭神である大己貴命(おおなむちのみこと)の降臨した場所として祀られたのが始まりとされているそうな。
中世に社殿は一時荒廃したそうですが、水戸2代藩主徳川光圀公によって再興され3代目綱條公の代に現在の本殿等が完成しました。
本殿、拝殿、瑞心門のシンプルでこじんまりとした神社ですが、観光客や地元の方も多く訪れ大洗では知名度の高い観光スポットの一つです。
医薬の神様「大洗磯前薬師菩薩明神」としても祀られ境内に御神水も沸いており、霊験あらたかな水を求めて遠方から汲みに来る方もいるそうな。
高台に何段もある階段を上って海の眺めがいい神社・・・ってマジかミホーシャ・・・。
劇場版「ガールズアンドパンツァー」で主人公チームの戦車Ⅳ号戦車H型が逆落としのごとくここを下っていくシーンがあります・・・。
控え目に言って、イかれてるっス。
循環バス「海遊号」の通り道であり、近辺にはホテルや飲食店もいくつかある観光拠点としても使えるスポットです。朝日が昇る神磯の鳥居はさぞかし映えることでしょう。
大洗町内一の高さを誇る大洗マリンタワーからの眺め。
最後に観光するのは大洗のシンボル「大洗マリンタワー」。
ネーミングライツによって現在はひたちなかエネルギーロジテック大洗マリンタワーというのが通称となっています。
一般観光客が利用できるのはエレベーターで3階まで。地上55メートルの3階展望室は有料ながら街並みはもちろんのこと、大洗の海や遠方の山を見渡すことが出来る見晴らしのいい展望台。
ここもバスのフリーチケットの割引が効きます。ただし自動販売の券売機では割引できないので中の受付で直接申し出てください。
ちなみに2階にはアニメをモチーフにしたガルパン喫茶Panzer vor(パンツァーフォー)が2015年より開業しています。
自分が今回行ったときには超絶満員で断念しましたがなかなか凝ったメニューを提供していたりするので、興味があれば是非。なかなか新鮮かつ衝撃な体験ですw。
※後日改めて行ってみました。アンツィオ屋台の鉄板ナポリタン(税込1,320円)を頂きました。とっても美味しかったです。
1階は観光案内所及びお土産物販売を行っています。茨城大洗のお土産物を多数取り扱っているので旅の終盤に訪れると都合がいいと思います。
この町も2011年の震災では津波の被害が大きかったんだよねえ。
あれから13年くらいたちますか。早いものですね。
大洗磯浜町は東日本大震災の時、4mもの津波が押し寄せて町全体が水浸しになった被災地の一つです。
不幸中の幸いとして1人の死者も出さずに済みました。
が、観光業や漁業を始めとした町の経済活動を停滞させた震災の爪痕はしばらく大洗に暗い影を落とすことになります。
それからほどなく大洗を舞台にしたアニメが放映されるに及び、町を挙げて支援した背景は被災から一刻も早く立ち直ろうとする思いと同時に、震災前からこの町が観光地としての衿持を持ち続けていたからではないでしょうか。
観光の町である大洗。この町から無尽蔵に沸く不思議な魅力
ガールズアンドパンツァーが放映されてから12年、根強いファンと地元の有志、行政の活動により未だ地道なイベントが定期的に行われていますが、年々その存在感は徐々に薄くなってきている気がします。
それでも聖地として今後も長く愛され続けるとは思うけどね。
この町の本当の魅力はどんな元ダネも受け止め生かして、精力的に活動していくパワーにあると思います。
ガルパンはその一要素の証。
大洗あんこう祭りや春の海楽フェスタ。その他もろもろのイベント。伝統を守りながらも新しいことに果敢に取り組んでいくこの町は、時代と共に移り変わってもいつまでも茨城随一の観光地であり続けることでしょう。
もう少し暖かくなったらキャンプ道具を背負って訪れよう。
夏には海水浴に来るのもいいですな。
今年こそはあんこう祭りに参加してアンコウ鍋を食べたいっス!
次の大洗には絶対ラッピング電車に乗ってやってこよう。
季節を跨ぐたびに顔を変えて迎えてくれる穏やかで魅力的な観光地、大洗にいつか訪れてみてください。
きっと何回も訪れてみたくなるそんなワクワクした町です。
※以前撮影した劇場版当時のラッピング電車(鹿島臨海鉄道)