現在人気を集めている優良なインデックス投資信託といえば
全世界株式(eMAXIS Slim全世界株式、ニッセイ外国株式、他)
S&P500(eMAXIS SlimS&P500、SBI・V・S&P500、他)
全米株式(SBI・V・全米株式、楽天全米株式、他)
などが代表格。
他にも日経平均連動のインデックス投信や、先進国株式など好調な成績を収めているインデックス投信は多々あります。
これらの持ち味はそれぞれ期待値のリターンをはじき出しながら、多くの国や企業に分散が効いているため、個別株を購入するよりも比較的ローリスクで長期運用に向いているという点で共通しています。
新NISAの積立投資枠、成長投資枠の購入可能銘柄のランキング上位はほとんど各アセットマネジメントの類似銘柄で占められている状態。各社コスト値下げ競争によって少しでも顧客を獲得しようと躍起になっています。
そして現在株価は大きな観点で見ればどの市場も好調を維持。
投資3年目突入・・・運用益は絶好調・・フフ・・フッフッフ・・・
ここまで好調だとちょっと攻めてみてもいいのではないか。
そんなアゲアゲな気分になっている人もいるかもしれません。
という中で証券会社で公開されたNISA枠の投資可能銘柄の選定の中に気になる銘柄が。
「大和ーiFreeNEXT FANG+インデックス」
組入銘柄企業10社の超少数精鋭型インデックス投資信託。
今を時めく超大企業で構成された攻めのインデックス投資は、果たしてNISAで長期積み立てする意義があるかどうか。
その他、高リターンを狙える同じく厳選されたグロース株中心のNASDAQ100投信。
新興国でも日の出の勢いであるインド市場を核としたインド投信。
もしこれら攻撃型インデックス投信に投資するならば、どういった目論見で投資をするべきかを詳細に検討していきたいと思います。
ほったらかし投資術の金字塔!
全面改訂 第3版「ほったらかし投資術」著:水瀬ケンイチ、山崎元
水瀬ケンイチ氏、山崎元氏によるインデックス投資のノウハウ本!
著者の実体験に裏打ちされた銘柄選定と入金ノウハウを余すところなく紹介し、確かな金融知識を持つことによって結論づけられた「ほったらかし投資」の成長性、再現性を証明する最新改訂版!
アメリカ市場の中でも大きな割合を占める少数の企業のみで構成されたFANG+
新NISAでは積立投資枠と成長投資枠で購入できる投信や株に違いがありますが、「大和ーiFreeNEXT FANG+インデックス」はいずれでも購入対象に組み入れられており、SBI証券のホームページで見てもにわかにランキング上位に踊り出て来ています。
2023年12月末の時点で成長投資枠でランキング6位、積立投資枠では4位。
設定日は2018年1月31日。ノーロードの投資信託で信託報酬は年0.7755%。現在の純資産は450億円を超え、今年中期から後期にかけて一気に資金流入額が増えています。
投資信託の中ではトータルリターンは年間5位。設定来のトータルリターンは300%を超えています。
構成銘柄はわずか10社で全て超大型企業。その構成比率は?
目論見書による構成銘柄は以下の通り。
組入上位10銘柄
企業名 | カテゴリー | 割合 |
META PLATFORMS INC CLASS A | コミュニケーション・サービス | 11.0% |
NVIDIA CORP | 情報技術 | 10.1% |
ALPHABET INC-CL A | コミュニケーション・サービス | 9.9% |
APPLE INC | 情報技術 | 9.8% |
AMAZON.COM INC | 一般消費財・サービス | 9.7% |
TESLA INC | 一般消費財・サービス | 9.6% |
MICROSOFT CORP | 情報技術 | 9.3% |
NETFLIX INC | コミュニケーション・サービス | 8.9% |
SNOWFLAKE INC-CLASS A | 情報技術 | 8.9% |
ADVANCED MICRO DEVICES | 情報技術 | 8.2% |
これら全てで合計95.5%。残りはコール・ローン、その他4.5%となっています。
構成比率は企業の時価総額加重比率で構成されているわけでなく、ほぼ均等に投資分散されているところが特徴です。
そしてFANGの名の通り、銘柄の中核を担っているのはMETA(フェイスブック)、AMAZON、NETFLIX、ALPHABET(Google)であり、その他の銘柄は状況によって入れ替えられるようになっていて、NYSE FANG+指数に連動する運用を目指しています。
300%の成長率・・・これは・・・投資する価値が・・あるのでは・・
眼がうつろになり、今にも積立設定を変更しようとしています。
ハッ!あれは沼ーサ!
なんです?!沼ーサとは?
挫折を知らない成功体験のみを得た場合、ドツボにはまってどんどん調子に乗って沼にはまってしまう恐ろしい幻惑魔法っス!
!それは・・・なんと恐ろしいッ・・・!
しょーもな。
そうこうしている間に、ノビは設定を終え、変更パスワードを打とうとしています。
5年で300%超・・・。10年、20年ならどれほどのリターンが見込めるか。
設定を変更する前にちょっと話を聞いていただけますか。特化型、攻撃型のインデックス投信について取り扱いに私から提案があります。
本ギルドの小姑・・・もとい唯一の良心モブからFANG+を始め、NASDAQ100、インド株投信の扱いについて一言あるようです。
オルカン一本でNISA枠を埋めるはずなのを、浮気しようとすることを咎めだてられるのかと思いましたがどうやらそうではないらしい。何か腹案があるようです。
FANG+以外の攻めの投信「NASDAQ100」と「インド株投信」を解析
その前にまずはNASDAQ100とインド株投信について、どのようなものであるか解説しましょう。
ヨロシクお願いしますだ。
まずはニューヨークダウと同じくらいよく目にするNASDAQについて。
NASDAQとは「National Association of Securities Dealers Automated Quotations(ナショナル・アセンション・オブ・セキュリティーズ・ディールズ・オートメイテッド・クォーテーション)」の略称で、全米証券業協会が運営している株式市場のことを指します。
NASDAQ100指数とは
NASDAQ市場に上場している銘柄の中から金融銘柄を除いた時価総額上位100銘柄で構成されている株価指数です。
※ニッセイNASDAQ100インデックスファンド目論見書より抜粋
銀行や証券、保険などの金融商品を扱っている企業を原則除外していわゆるグロース株(新興株やテック株)を中心に勢いのある企業で厳選されています。
参考までにNASDAQ100の投信でNISAランキング上位(成長投資枠のみ。積立枠は購入不可)にランクインしている
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
の中身を見ていきたいと思います。
業種別組入比率は約半分の48.4%が「情報技術」となっており、次いでコミュニケーション・サービスが16.1%、一般消費財14.0%がそれに続きます。
組入上位銘柄は以下の通り。
- 1:アップル(情報技術)10.8%
- 2:マイクロソフト(情報技術)9.4%
- 3:アマゾン・ドット・コム(一般消費財・サービス)5.3%
- 4:エヌビディア(情報技術)4.3%
- 5:メタ・プラットホームズ(コミュニケーション・サービス)3.8%
- 6:アルファベット(A)(コミュニケーション・サービス)3.2%
- 7:テスラ(一般消費財・サービス)3.2%
- 8:アルファベット(C)(コミュニケーション・サービス)3.1%
- 9:ブロードコム(情報技術)3.0%
- 10:コストコホールセール(生活必需品)2.2%
結構FANG+と被ってるね。
FANG+だけじゃないですよ。オルカンでもS&P500でも上位銘柄は大体似たりよったりです。
FANG+は組入銘柄に対してほとんど均等に配分されていて、他の投資信託は時価総額加重比率で組み入れられている違いがあるだけで、要するにその他企業の銘柄と合わせて
FANG+(11社)→NASDAQ100(100社)→S&P500(500社)→オルカン(約3000社)
という風にどんどん投資対象が増えていっているだけで主力の顔触れはあまり変わりありません。
ニッセイNASDAQ100はもちろんノーロード(売買手数料無料)、信託報酬は年率0.2035となっています。
ほかに大和ー i Free NEXT NASDAQ100インデックスもあります。こちらは成長投資枠と積立投資枠両方購入することができますが、ニッセイ版と比較すると少々コストがお高めの信託報酬0.495%。
さすがにオルカンやS&P500に比べてコストはかかるな。
FANG+の0.7755%に比べたら格安っス。
コストをとるか(ニッセイNASDAQ100)、枠の大きさをとるか(大和ー i Free NEXT NASDAQ100インデックス)は人によって判断の分かれるところでしょう。
新興国の中で日の出の勢いのあるインド株投信はどうか
インドといえば中国を抜き人口世界一位に躍り出た、衰え知らずの新興国家筆頭です。
「戦いは数だよ、兄貴」
を地で行く経済成長著しいインドの投信といえば
ピクテーiTrustインド株式
が新NISAの積立投資枠と成長投資枠で購入可能です。
委託会社はピクテジャパン株式会社。受託会社は三井住友信託銀行。
設定日が2018年4月3日。信託報酬は年率0.9828程度です。
中長期的に成長が期待できるインド企業(インドに本社を置いている、または主たる事業をインドで行っている)の株式に投資します。ポートフォリオとしては厳選された25~35銘柄程度。
組入上位銘柄は以下の通り。
- 1:HDFC銀行(金融)9.7%
- 2:インフォシス(情報技術)8.3%
- 3:ICIC銀行(金融)7.6%
- 4:SBIライフ・インシュランス(金融)6.0%
- 5:HCLテクノロジーズ(情報技術)4.8%
- 6:トレント・ファーマシューティカルズ(ヘルスケア)4.3%
- 7:マックス・ヘルスケア・インスティテュート(ヘルスケア)4.2%
- 8:ヒンダルコ・インダストリーズ(素材)4.1%
- 9:KEI インダストリーズ(資本財・サービス)4.1%
- 10:マリコ(生活必需品)4.0%
・・・・あー10位のマリコだけ聞いたことある、うん。
飲み屋のおねえちゃんの名前じゃないですからね。念のため。
日本においては一般的にそれほど馴染みのない企業ばかり。
アメリカ企業は日本人の日常生活の中で、商品やサービスが身近なグローバル企業が多いですが、インドの組み入れ銘柄を見るとどれもピンときません。
インドが魅力的な成長経済国なのはわかりますが、投資先がよくわからない企業ばかりだと、判断基準がわかりにくくなるのがネック。
なにより気になるのが信託報酬がほぼ1%取られるということです。これだけでも結構伸びないとしんどい市場になりそうな予感。
新興国の企業になじみが薄いのは仕方ありません。こういった場合焦点となるのはあくまで将来性を買えるかどうか、という一点のみです。信託報酬が気にならないくらい市場が大きく伸びる可能性はつねにあります。なんせ内需だけでやっていける国でしょうから。
そこが人口減少国日本と大きな違いとなってくるな。
いずれにせよインド市場というのは未知数で全く相場が読めませんが、それだけにリターンの爆発力が今後あるかもしれないというのが現在注目されている理由です。
上記3つの投資信託は果たして新NISA枠で買いかどうか?
広く分散されたオルカンに比べて、あえて厳選した株式を組み入れて高いリターンを見込めるように意識された3つのインデックス投資信託。
コストがかかることを踏まえて、リスクをとって新NISAで積み立て購入する価値はあるのでしょうか。
結論から言ってしまえば、オルカンを主軸に据える戦略で行くのであれば、新NISAの枠は全てオルカン一色に染め上げるべきです。
そんなぁっ!FANG+なんて名前チョーカッコいいのに!
以前ノリで名前買いして後悔してましたよね、アナタ。
新NISAは売却すれば枠が翌年に復活する仕組みとはいえ、利ザヤを狙って短期売買する口座には向かないシステムです。
それならばブレずに末永く託せる投資信託1本に絞って、迷わず投資するのが‟たった一つの冴えたやり方”。
ただし。
特定口座で少量ずつ、サテライト資産として余力あれば購入するという選択肢があります。
オルカンのいいところはアメリカ、日本、先進国、新興国と取りこぼしなく投資できるのが魅力ですが、中庸すぎて尖ったところがないのが欠点といえば欠点です。
どんな局面でもリターンは他の特化した投資信託を下回ってしまいます。
そのコア資産のオルカンに、サテライト資産として市場の様子を見つつ他の投資信託で肉付けするのです。
フットワークの軽い特定口座で、短中長期と自在に売買し波に乗れば利益を上乗せできますし、上手くいかなくてもそれほど痛い目を見なくて済みます。なんといっても特定口座はNISA枠と違い、損益通算できるのが旨味。
オルカンだけではつまらない、物足りないというあなたへ。どんなにおいしいラーメンでも食べ続けてると飽きてきます。飽きないための戦略、名付けてオルカンちょい足し味変作戦です。
ダセエッ!!
軸はあくまで新NISAで。調整やリスク取りは特定口座で。
よほど資金がありリスクをとれる人や、コストやリスクを無視してでも長期積み立てによるハイリターンを狙いたいという人ならNISA枠を割くのも一つの選択です。
しかし、自分のようにオルカンのような人気で手堅い銘柄をコアとした投資を行いつつ、少し色を付けたいというのであれば20%の税金を取られるとしても、新NISAの枠外(特定口座)にサテライトとして
FANG+
NASDAQ100
インド株
を少量ずつ余力あるときに積み増していけば、あるいは面白い値動きを期待できるかもしれません。
いずれにしても攻撃的な投資信託として全世界株式や全米株式とはまた違った新鮮な魅力のある3つのインデックス投信。
今すぐ手を付ける、という必要はなくとも今後の市場の動向次第では常に注目しておいて損のない金融商品ではないでしょうか。
フィンタクト:投資判断をサポートする 金融情報プラットフォーム
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