‟宇都宮の外れ、大谷には地下ダンジョンがある。”
‟そして市街中心には近未来の路面電車が奔る。”
それは耳寄りな情報だ!早速探索に行かなくては!
栃木旅2日目の朝。
そそくさと支度をして宇都宮駅バスターミナルに向かいます。
前日は日光世界遺産を大いに堪能しましたが、今回は宿泊先からそれほど遠くない市中観光。
前回の日光世界遺産の観光模様はこちら。
本日向かう観光先はバスで30分ほど先にある石切場、採石場で有名な「大谷資料館」。
宇都宮市内ながら、小高い山の上の市内のはずれのほうにあります。
石の里といわれる大谷の巨岩、奇岩に恵まれたスケールの大きい独特の風景。
まるでRPGのダンジョンのような地下採掘城跡はとってもワクワクすること請け合いです!
数々の映像作品のロケ地として使用された聖地として見学するのも楽しみです。
まるでダンジョン!地質学としても採掘の歴史としても価値の高い大谷資料館
立岩行きのバスに揺られて30分ほど。
大谷資料館前のバス停で下車すると、資料館に入る前にすでに豊かな大谷石の岩の風景が周りに広がっています。
9:00の営業開始なので、少し早めにやってきました。
地下採掘場の大谷資料館も魅力的ですが、そのまわりの大谷の岩の景色も独特で、それを写真に収めたいと思って楽しみにしていました。
資料館駐車場入り口前に大谷景観公園という公園があります。
看板と公衆トイレがありますが、ベンチのほかは削られているような奇岩がオブジェのようにあるだけ。
しかし、資料館開館前の待機や帰りのバス待ちに利用するにはとてもシンプルでいい公園です。
もちろん自分のように奇岩を写真に収めたい人にはとてもありがたい公園。
川を挟んですでに岩が目の前にあり、圧倒される景色です。
この公園前の道奥川を渡り道なりに行けば資料館来場者が利用する大きな駐車場。
その奥をいけば大谷資料館の入り口の道になります。
道の突き当り、大きな岩の削られた場所に囲まれてあるのが大谷資料館。
博物館の類なので大きい建物を想像している人も多いかと思いますが、資料館入り口施設そのものは平屋の一階建て(受付、採掘の歴史資料展示館)でとてもこじんまりとしています。
それもそのはず、この採掘場跡の資料館は地下。
地下の約2万平方メートルの広さ、深さは平均30m。最深部60mの大きさは野球場がそのまま入るぐらいの広さだと説明されています。
まるで地下迷宮に迷い込んだような不思議な感覚。
博物館としても単純にエンターテイメントの場としても楽しめるそんな資料館となっています。展示品メインの博物館とはまた違った楽しみを味わうことができますよ。
大谷資料館は地下だけでなくその周りも岩壁に囲まれ、写真スポットになりそうな滝まであります。自分も例にもれずパシャリ。
その他お土産物屋やカフェスペースなどがあり、見学後の休憩やランチも楽しめるようになっています。資料館を見終わったら是非寄ってみたい場所。
では栃木のダンジョン大谷資料館の冒険、行ってまいります!
桁違いの採掘場跡。地下迷宮大谷資料館の中を歩く
資料館入場券。大人800円也。小人400円になります。
地下資料館の前に採掘の歴史展示館へ。
大谷石の採掘の歴史は古く、8世紀の中頃下野国分寺の土台石として利用されたという記録があります。
それを皮切りに大谷石の質の高さが広まり、様々な建築物の石材に利用され本格的に採掘がはじまったのは江戸時代の中頃から。
もちろんその頃は機械などなく、つるはしなどを使用した手掘りと人力による運搬が長い間一般的でした。
機械が導入されるのは昭和34年ごろ。
展示館にはその初期のころの裁断機や採掘機なども展示してありなかなか勉強になります。
展示を後にし、いよいよ地下の採掘場跡へ。
大谷資料館は夏でも晩秋から初冬ぐらいの気温(12度前後)なので、いつ来ても防寒は必須です。特に夏は防寒具を用意していない人が意外に多く、寒い思いをしてせっかくの資料館の見学を長く楽しめなくなるので注意です。
これがまるでロールプレイングの世界といわれる大谷資料館の採掘場跡。
規則正しく切り取られた石が幻想的で美しいです。
つい最近採掘場でも有名な千葉県の鋸山に行きましたが、
森林の中に採石場があるのも壮観ですが、地下回廊のような巨大な採掘場跡は規模が桁違いで本当に圧倒されます。
ふ、ふーん・・・・まあまあすごいじゃん?
千葉県民が誇る鋸山よりすごいのでちょっと悔しいの図っス。
生け花の仮屋崎先生の作品が展示してあったり、大谷資料館をロケ地とした映像作品の数々がパネルで紹介してあったりと、自分の好きな作品の聖地になりえるほど多くのエンタメの舞台となって関わっている同資料館。
実際数多くの有名なアーティストのMVや映画ドラマの撮影スポットとなっているので、興味のある方はあの作品か、と調べてみるととても楽しいと思います。
- 開館時間:4月~11月9:00-17:00(最終入館16:30)12月~3月9:30-16:30(最終入館16:00)
- 休館日:4月~11月無休。12月~3月毎週火曜日休館(祭日の場合は翌日休館)年末年始12月26日~1月1日休館
- 料金:大人800円 小人400円(小中学生)団体(20名以上)は大人700円 小人350円
- 駐車場:来館者無料。第1~第4駐車場まで計320台あり。
- JR宇都宮駅西口より6番乗り場大谷・立岩行き約30分。東武宇都宮駅より東武駅前バス停から大谷・立岩行き約20分。
- 東北自動車道鹿沼I/Cから車で20分。宇都宮I/Cから車で12分。北関東自動車道宇都宮/上三川I/Cから車で40分。壬生I/Cから車で30分。
- 〒321-0345 栃木県宇都宮市大谷町909
- ☎028-652-1232
- FAX028-652-0010
- 大谷資料館公式HP
資料館を後にし大谷の周辺の観光スポットを尋ねる
テンションが上がったまま資料館の外へ出ました。
お土産とコーヒーを購入して一息ついた後、
大谷資料館から離れ、少し下に降ってここから10分ほど歩いて大谷観音のある大谷寺を拝観しに向かいます。
大谷観音は千手観音像であり日本最古の石仏観音像として知られ、伝承では平安時代に弘法大師によって作られたとされています(諸説あり)。
境内では大谷石で作られた仏様も多く、非常に楽しみにしていたのですが、
残念。本日木曜日は休館日で閉門していました。
また採石場のお寺を拝観できると思ったのに残念。
こういうのは巡り合わせですから仕方ないですね。その代わりこちらに面白い公園がありますよ。
大谷寺のすぐそばに大きな観音様がある大谷公園という独特な景観の公園。
採石場跡を利用した平和観音という石仏観音が建っています。
太平洋戦争の戦没者供養と、世界平和を願って彫刻された高さ27メートルの観音像です。
ふ、ふ〜ん。まあまあでかいじゃん?
対抗心を燃やしてないで素直にありがたく拝んでおきましょうよ。
乾坤山日本寺の百尺観音を思い出します。あれも戦没者供養と近隣の陸海空の交通安全を祈願されて掘られたもの。
両像とも似たような環境で似たような願いを込めて彫られた観音像。
比較的最近作られたところも似ているところから妙に親近感を覚えます。
しかもこちらの観音様は頭部まで階段で登ることができる模様。
優しげな横顔。公園の中や周りの風景が一望できてとても気持ちがいいです。
この公園には採石場跡の公園らしく、普通の公園とはまた違った奇岩のオブジェや高い岩壁の入り口など個性的な雰囲気があってとても趣深いです。
公園の入り口近くにはお土産物屋やカフェもあり、また道の向かい側には市営の無料駐車場に「ベルテラシェ大谷」というカフェテラスがあり、食事を摂ることもできます。
自家用車で訪問する方にとっては石の町、大谷を堪能する拠点として便利な場所なのではないでしょうか。
アソビュー:レジャー・遊び体験予約サイト
アウトドアのみならず、物作りなど様々なレジャーを体験予約できる日本最大級のサイト!
栃木、日光の楽しいレジャーもあるので興味のある方は要チェック!
もちろん日本全国のイベント体験も予約できるのでおススメ!
宇都宮市内中心部の観光スポットを紹介
大谷資料館は車で30分ほどの市内の外れにあるので、観光スポットとしては少々遠方になりますが、駅から徒歩圏内、または市内巡回バスを利用した観光スポットも宇都宮市には多くあります。
二荒山神社
前回記事にした日光とは別の宇都宮の二荒山(ふたあらやま)神社。
市内の大通り沿いににありながら大きな鳥居が目立つ神社で、石段を上がったすぐの場所にあります。
御祭神は豊城入彦命という10代天皇崇神天皇の第1皇子で、東国を鎮撫したという伝説があります。
福徳開運のご利益があるとされ、郷土の氏神様として市民に親しまれている神社です。
宇都宮城址公園
戦国大名でも有名な宇都宮氏が居を構えたお城の跡を市民公園にしたもの。
自分が行ったときは堀の水がありませんでしたが、普段は堀の水も張ってあり公園ながらなかなか本格的な雰囲気を持っています。
天守はなく、城郭と一部の櫓を再建したものがあり、中は靴を脱いで無料で見学できますので近くに寄った際には是非見て見てください。
カトリック松が峰教会
近代ロマネスク様式で建築されたカトリックの教会。
上記で観光した大谷の大谷石をふんだんに使用した歴史的にも芸術的にも非常に価値のある教会です。
教会内部などの見学も可能なので大谷資料館を回ったら押さえておきたい観光スポット。
毎週日曜日には10時よりミサも開催されるそうなので興味がある方は是非。
餃子通り
言わずと知れた宇都宮餃子の街の象徴。有名餃子専門店が集まる場所。
ここには宇都宮餃子の二大巨頭ともいえる「みんみん」本店と、「正嗣」宮島町本店というお店もこの通りにあります。
両店ともにこの日もお昼の時間帯でないにもかかわらず行列を作っていました。
ちなみに両店ともに分店支店を展開しており、正嗣は他に鶴田店と氏家店の3店舗、みんみんは複合餃子店舗である来らっせにも出店しているほか、JRが運営しているホテルメッツ宇都宮という駅直結のビジネスホテルのすぐ下にも2店舗(一つはバル形式)運営しています。その他宮みらい店など多くの場所に出店。
本店で並ぶのが大変な場合の選択肢として考えておくのもいいと思います。
もちろん他に並んでいる餃子店もどれもおいしそうで、どのお店に入っても本格的な宇都宮餃子を楽しめると思いますよ!
餃子通り以外にも駅前や駅内施設の飲食店にも餃子専門店は多数あるっス!毎回来る度にどこに入るか迷うっス!
ちなみに色々な餃子を味わいたいという欲張りな方は来らっせという複数の餃子専門店が参入している複合餃子施設に行くことをお勧めします。
来らっせは2店舗あり、一つは宇都宮二荒山神社の向かい側にあるドンキホーテの地下1階。
もう1か所は取り扱いはお土産の餃子のみですが、来らっせパセオ店として宇都宮駅構内のパセオ内にあります。旅行帰りのお土産に最適なので新幹線に乗り込む前に是非お立ち寄りを。
Stay Gift 宿泊チケットサービス
- オンラインによる宿泊チケットギフト!
- 旅行券でもカタログギフトでもないので相手が日程を選べる!
- 日頃大切に思っている人へ感謝を込めてサプライズを!
宇都宮新名物次世代路面電車「ライトライン」に乗りに行く
実は久しぶりに栃木観光に来たのですが、今回特に楽しみにしていたのは2023年8月26日から宇都宮~芳賀間にて開通された
LRT(次世代型路面電車システム Light Rail Transit)
を採用した宇都宮東口から発着されるライトラインという路面電車に乗ること。
このLRTというシステムは従来の路面電車と違い、環境への配慮や各種交通との連携、停留場の改良による乗降の容易性なども含めいろいろな配慮がなされた次世代の交通システムとして期待されているものです。
LRT「ライトライン」を開通させた意図と経緯
ヨーロッパなどの海外でも運用されていて、国内では富山市が先んじて運行している次世代の路面電車。
日光側の地域と違い宇都宮の東側は、芳賀をかけていわゆる工業地帯や教育機関、公共施設などが多く、いわば地域の経済活動、教育活動を支える一帯になっています。
しかし今まではそこに通された公共交通機関というのは主にバスであり、工業地域を横断するような電車は通っていませんでした。
西側が東武鉄道や日光線があることを思えば、いかに東側の鉄道交通網が整備されていないか分かります。
いわばその地域に携わる人たちのための公共交通機関として開発された路面電車なのですが、
これをもちろん市民の足にするだけでなく、観光の目玉の一つにすることが目論見としてあるわけです。
実際東側の路線だけでは飽き足らず、西側にも延伸しようという話もあります。
いざ、雷都に横断するライトラインへ乗り込む!
運営会社はライトレール株式会社(公式HP)といい、主に宇都宮市など自治体と東武鉄道や関東バスなどの地域と密着した公共交通機関が出資していて、経営権は宇都宮市が担当しているようです。
こちらが宇都宮駅東口ライトラインの駅ホームへの場所。
エスカレーターで下へ降りるだけです。電車のような入退場での決済は無し。
宇都宮観光としては初めての場所だからとても楽しみです!
将来西側も開通されたら市内を横断する重要な交通機関になる可能性があります。今後も注目の交通機関ですね。
雷をイメージした鮮やかなイエローLRT車両「ライトライン」
LRT車両は愛称として「ライトライン」と名付けられています。
これは宇都宮、芳賀の地域に雷がとても多く、その由来からこの地域一帯を「雷都」と呼ぶことから道筋やつながりの意味を持つラインを掛け合わせて作られたネーミングだそう。
その中に未来への光の道筋という次世代交通システムとしてのメッセージも込められてます。
運行時間帯は6時台から23時台まで、1時間あたりピーク時はおおよそ6分間隔、オフピーク時は10分間隔で出ています。
運賃は初乗り150円から最大400円(小人は約半額)
ホーム自体はさして大きくありません。車両編成は3両ほどのワンマン運転。
早速電車がやってきました。
乗り方は最近の路面バスとシステム的に近い乗り方となっています。
入場の時に交通系ICを使用して入場専用のタッチパネルにタッチして入り、降りるときは退場専用のタッチパネルにタッチして降ります。
現金の人は整理券をとって運賃表に沿った運賃を降車時に支払うシステム。その際はバスと同じで一番前からのみの降車となります。
座席は対面形式の50席。最大積載人数は160人になるそうです。
真新しい近未来感あふれる座席や車内。
電車はゆっくりと宇都宮駅を離れ街中に向かいます。最大速度は40㎞/h。
この街中を電車が練り歩く感覚、どっかで見たような。
最近滋賀大津に行ったじゃないですか。びわこ浜大津の駅前の光景そっくりです。
いや京阪線はもっとワイルドでロックだった思い出が。こんな感じに。
すぐ近くの峰という停留場で降車してみる。
宇都宮駅からほど近い峰という場所で降りてみました。
最終の芳賀、高根沢工業団地まで行ってみてもよかったのですが、特に用事はなかったうえ、片道44分かかるので往復するだけの時間が取れなかったというのもあって折り返し宇都宮に戻ることにします。
取り合えず次世代の路面電車を体験することができて今回は満足。
しかし少し面倒だと思ったのは、従来の路面バスと同じで乗車の停留場と降車の停留場が少し離れていることです。
ここら辺はシステム上仕方のなかったことなのかな、と思いますが、どうせなら電車の駅のように同じ場所で乗降できるようにして欲しかった。折り返すには道路を一回渡って少し離れた停留場に行かなければなりません。
伝統、歴史、未来の詰まった魅力的な観光地「栃木県」
ということで宇都宮駅に戻ってきました。
エスカレーターに登り、ライトキューブ宇都宮側の2階の広場の上から停車中のライトラインをパシャリ。
他の観光客とおぼしい方たちも熱心にカメラに収めていました。
こちら広場の前にある宮みらい一帯の複合施設にも飲食店は多くあり、食事休憩や買い物も楽しめるようになっています。
宇都宮西側は繁華街かつ観光の拠点として発展していますが、東側はどちらかというと宇都宮の工業地や企業などの地域経済拠点の一大集積場といった印象があります。
しかしLRTが採用され東西の結びつきが強くなれば東側も工業施設や教育施設だけでなく、大きな観光の発展があるかもしれません。
2、3年に一度は訪れている日光、宇都宮ですが、今後更なる観光の変革がありそうでとても楽しみな街でもあります。
伝統と歴史と未来の可能性を感じさせてくれるとてもワクワクする街だ。またすぐに訪れることになるんだろう。
今回の栃木旅はこれにておしまい。
しかし、気軽に来れるとても快適で楽しい観光地として再び足を運ぶことになりそうです。
その時は日光宇都宮ではなく、たまには県南の足利や佐野を歩くのもいいし、
宇都宮から北へ更に足を延ばして那須塩原に動物とキャンプを楽しみにいくのもいいかもしれません。
魅力的な観光資源溢れる栃木県。
紅葉や夏休みなどのシーズンでも、それ以外のオフシーズンでも楽しみ方はいろいろあるので関東や宇都宮に足を運べる地域にお住まいの方は1度旅をしてみてください。
「何もないんだな、これが」なんて有名なセリフ画像がありますがそんなことは決してないありすぎるほどの素敵な観光地ですよ。