日本海にゃ何がある。
と問われれば最も有名な日本海側北陸の観光地のひとつとして、
石川県は「金沢」
を連想する方はとっても多いと思います。
他の日本海側の県民市民の方々、マッコト申し訳ない。
いろいろ物申したい方もいるでしょうが、知名度にかけては全国観光地でも指折りの都市であることに異論はないと思います。
加賀百万石の隆盛を誇った地方屈指の城下町金沢。
金沢城公園やお隣の兼六園、長町武家屋敷跡など歴史を感じさせる美麗な景観から、
近江町市場や金沢中央市場に代表される海の幸満載の美食の町でもあります。
ひがし茶屋街、
主計町(かずえまち)茶屋街、
にし茶屋街
の金沢三大茶屋街の風情と茶屋グルメ、スイーツ。
金沢21世紀美術館に代表されるミュージアム群、金沢3大文豪の記念館など文芸の歴史も盛んです。
金沢ハンパないってぇッ!!
そんな半端ない観光都市金沢を一泊二日観光して紹介していきたいと思います。
海鮮、カレー、スイーツ。腹がはち切れるまで食べてやる。うふ。
北陸屈指の観光都市「金沢」は駅からして気品が違う!
毎度お馴染み、色々なメディアで取り上げられた鼓門(つづみもん)。
Googleで金沢と検索すると画像サムネの殆どがこれになるほど、知名度抜群の金沢駅の象徴です。
もはや見慣れたシンボルだけど、実際に見るとやはりすごいな。
今まで見たどの観光都市よりもすごいアピール力。
能で使用されるという鼓の胴にかけられている「調べ緒」がモチーフになっているそうです。
そして鼓門と駅前面を覆うように立体トラスとガラス張りにかけられたのが日本最大級のもてなしドーム。
金沢まで新幹線が挺進開通する2015年に先駆けて、2005年に観光都市のプライドをかけてリニューアルした金沢の玄関口。
2011年にはアメリカの旅行雑誌「トラベル&メジャー」において世界で最も美しい駅14選の内6位に選出されるという快挙を成し遂げています。駅からして観光名所にするところが加賀百万石(旧)の凄みです。
観光地のアクセスも抜群のバスターミナル
こういった観光地の駅は巨大なバスターミナルが設置されているものですが、そのターミナルのデザインもどこかモダンでカッコいい。
鼓門を中心にバスがひっきりなしにやってきます。
もてなしドームど真ん中の交通案内所に連なるバスチケットセンターで、1日フリー乗車券を購入。
市内周遊バス(左周りは本日運休)を乗り放題な上に、北鉄線系列のバスや鉄道なら範囲限定で乗ることができる便利な券。ただし周遊バス以外は使用範囲を把握するため、乗る際整理券を取る必要があります。
城下町金沢周遊バス(金沢駅前~兼六園前~金沢駅前)一周約43分
運賃(1乗車):大人210円 子供:110円
- 右回りルート(ひがし・主計町茶屋街・兼六園方面)と、
- 左回りルート(近江市場・香林坊、片町・にし茶屋街方面)あり。
右回りルートは始発は8:35、終発は18:05、左回りルートは始発8:30、終発18:00。各ルート15分間隔で運行。
※左回りルートは現在週末のみ運行。平日は右回りのみ。逆方面には他のバスを利用推奨。
金沢市内1日フリー乗車券(紙面、デジタル)あり:大人800円、子供400円
- フリーチケットは市内の様々な対象観光施設の割引チケットにもなる他、北陸バスや北陸鉄道を対象エリアに限り同様にフリー利用可能。ただしエリア使用を証明するために、周遊バス以外の利用は乗車時整理券を取得する必要あり。
<利用できる北陸バス、北陸鉄道>(カッコ内は金沢駅前東口バス乗り場)
- 金沢周遊バス(7番)
- 金沢ふらっとバス(1番)
- 北陸鉄道バス(3,6、8~11番)
- JRバス(4,5番)
- 北陸鉄道浅野川線・北鉄金沢駅、七ツ屋駅、上諸江駅
- 北陸鉄道石川線・野町駅、西泉駅、神西金沢駅
金沢の中心部!広大な兼六園、金沢城公園を散策!
兼六園前までやってきました。
煩雑していた駅前や繁華街と雰囲気がガラリと変わり、鷹揚で重厚な歴史観光地の雰囲気がバリバリします。
ここは旧加賀藩の拠点であり政令地でもある金沢城跡と、加賀藩主前田家が歴代別邸として利用していた庭園「兼六園」がある金沢市の中心部。
お土産物屋、食事処も周辺に並んでいます。
一度食べてみたかった、無駄に豪華な金箔ソフトクリーム(抹茶)。ちなみに金箔は無味です。そりゃそうだ。
気分は百万石のお殿様❤️
いや殿様はアイスクリーム食べたことないでしょ。
現代は平民でも殿様より贅沢で美味しい物を食べ、生活の便利を享受できる時代。いやはやありがたいです。
兼六園は入場料500円(対象他施設一回のみ併用券。兼六園のみなら320円)。
自動販売機で引換券を購入し、なぜか窓口で本券を受け取るという2度手間使用。初めての方はちょっと注意。
日本最大の大名が築いた庭園「兼六園」
さあ、金沢随一の観光スポット、兼六園にいざ入園。
兼六園といえば最も有名な写真映えスポットが霞ヶ池。
右に見えるのが徽軫(ことじ)灯篭。兼六園のシンボルとなっています。
左側に浮かぶ池中の島は「蓬莱島」と呼ばれ、琵琶湖に模した作りである霞ヶ池の中で琵琶湖の竹生島をイメージしているそうです。竹生島も楽しかった。
池までかかる唐崎松は冬には雪の重みで枝が折れないよう補強する「雪吊り」も独特な景観と風情で有名です。今時分の季節は下支えの柱のみで折れないように維持しています。
・・・・oh・・・ビューティフォー。
加賀藩主前田家が何代にもかけて手を入れた贅美を尽くした庭園は、確かにスケールが違います。
資料によると兼六園は林泉回遊式庭園だそうですが、以前滋賀県の彦根城で彦根藩藩主のお歴々が起居していた池泉回遊式庭園の「玄宮園、楽々園」を拝見しました。あれもまた見事な物でした。
しかし、百万石のこの庭園はどうも規模感が違う気がする。
調べてみたところ、玄宮園は28,000㎡、兼六園は約11.7へクタール(1ヘクタール=10,000㎡換算で117,000㎡)ですね。
やるじゃん加賀百万石。
しかも5代藩主前田綱紀(参議)の別邸(兼六園蓮池周辺)の建築から始まったとのことだから恐れ入る。
その歴史300年以上。
その後も建築拡大を経て現在の兼六園の姿として保全されています。
名勝もそうでない場所もすべてが映えスポットな園内
池の反対側にある眺望台からは金沢の街並みが一望出来て素晴らしい景色です。ベンチもあり、ここでボーと過ごすのも一つの名園散策の楽しみ方。
雁行橋(がんこうばし)近くに鳥が佇んでいました。種類は定かでないですが、雁行橋にまつわるなら白雁っぽい姿。違ってたらごめんなさい。
日本3大庭園(他に水戸の偕楽園、岡山の後楽園)に数えられるだけあって、気品と勇大さが兼ね備わってます。
庭園の中には茶店がいくつもあり、団子などの茶菓子やラムネやコーラ、お土産物も多々販売しています。自販機もいくつか備えられていました。
ここは自販機もある「出世茶屋清水亭」。
庭園はゆっくり回れば結構な時間がかかるので、暑い時分は水分補給できる箇所があるのはありがたいことです。
ベンチや東屋で休憩しながら美しい庭の眺めを見るのは兼六園の粋な楽しみ方のひとつかもしれません。
ここ以外にも兼六園内外にはお土産物屋やお食事処多数あります。
特に兼六園内部の内橋亭や時雨亭は庭園の景色を楽しみながら風情ある食事やおやつをいただけるっス。ただ平日,特に週中日は空いてないところも多いので事前に要確認っス。
兼六園の主な見どころ(六勝巡り・他主要スポット)
<六勝ルート>順路順60分コース
- ①徽軫灯篭(足が琴柱(ことじ)に似ていることからついた名。兼六園のシンボル)
- ②唐崎松(琵琶湖畔の唐崎神社から種子を取り寄せた松)
- ③霞ヶ池(園内最大の琵琶湖を模した池)
- ④雁行橋(11枚の赤戸室石からなる石の橋。渡ると長寿の御利益も)
- ⑤七福神山根上松(七福神に見立てた自然石がある松)
- ⑥明治記念之標(西南戦争の郷土軍人の慰霊碑。日本最古の銅像。地図表記❼)
- ⑦鶺鴒島(誕生、結婚、死を表す五重塔が配置されている。地図表記❽)
- ⑧根上松(‟ねあがりのまつ”と読む。根が露わになった奇観の松。地図表記❻)
- ⑨蓮池・翠滝(兼六園作庭の最初の池。水量豊富な滝が流れる。地図表記は⓫)
- ⑩夕顔亭(園内最古の建築物。歴代藩主が愉しんだ茶室。地図表記は⓬)
- ⑪噴水(動力なしの水の力のみで吹き上げる日本最古の噴水。地図表記は⓭)
その他スポット
- 曲水・山崎山(園内最標高の山。ここより霞ヶ池に水が巡って注がれていく。)
- 梅林(各梅の名所から寄贈された梅の見どころ。約200本の梅の木がある)
兼六園に隣接する名所として成巽閣や金沢神社、石川工芸ミュージアムなどがあります。
特に金沢神社は無料ながら金城霊沢など知る人ぞ知るパワースポットがあってお詣りするにはうってつけです。庭園を見終わった後に行ってみたい場所の一つですね。
左が金沢神社、右が金城霊沢。
金城霊沢はこんこんと湧き出る泉で金洗の沢と称されています。
「金沢」の由来とも言われているありがたいパワースポット。金運、開運の御利益があるそうです。
道路を隔てたその先にある加賀藩の本拠「金沢城跡」へ
兼六園を一周回り、再び同じ受付のところから陸橋の先に見えるのは兼六園と真逆の無骨な佇まい。
あれが金沢城跡の入り口、石川門です。
門を潜ったすぐ先、開けた場所にあるのが幕末まで現存していた金沢城があった跡。
現在はいくつかの城門や櫓が再建されたものが残っているのみで、天守閣は江戸初期(1602年)落雷による大火で焼失したまま幕府への遠慮で再建されず、代わりに三階櫓が建造され中核の役割を担いました。
その後も何度か二の丸など火災の憂き目にあっています。
金沢城、燃えすぎ。
城って戦さでもないのに焼失してることが多いですね。
明治維新でせっかく残城処分で軍に接収されたにも関わらず、1881年には残っていた主要の城郭群がほぼ全て火災により焼失。
その後この地は軍の司令部として活用され、戦後金沢大学が入っていましたが、移設されて1996年石川県主導による金沢城址公園(現在の金沢城公園)が建設スタートされ、今に至ります。
金沢城公園の施設と見所
石川門を潜ると、公園内のひらけた敷地が。
入ってすぐのところに公園の案内所が建っています。そこで公園内の観光ガイドを依頼することができるようです。団体さんはぜひ利用してみてください。
左に折れて向かって正面右側が河北門、広く取られた広場の左手側が橋爪門。
河北門側は広大な敷地である新丸広場に出て公園の大手門の出口となります。ここから近江市場まで徒歩で移動可能。
橋爪門側は公園内の見所である橋爪続櫓と五十間長屋へと抜けることができます。公園内の主要箇所を巡るのであれば橋爪門を抜けるといいでしょう。
橋爪門側手前に城を眺めながら一息つける豆皿茶屋(カフェ)があります。
ここて一息入れてから公園内の散策をするのもいいっスね。なかなかおしゃれなメニューが豊富で写真映えするものが結構ありそうっス。
ちなみに河北門内部は見学無料、橋爪門続櫓、菱櫓と連結している五十間長屋内部は入場有料となっています。
金沢城の「正門」河北門の内部を見学
まずは河北門に向かいます。
外階段から二の門入り口に入り、内部を見ることができるのでお城マニアは観覧の価値あり。結構な大きさの門です。スロープ側の登り口もあり、車椅子の方や階段が辛いお年寄りが利用しやすいようになっています。
平成22年に復元されたという河北門は当時と同様の技法で建築され、壁や床の木材は檜の一種である地元産の能登ヒバを使用しているそうです。
河北門は実質的に今は亡き本丸への玄関口らしいです。でっかいどう。
金沢城は兼六園よりも敷地面積ははるかに巨大で、回り堪えがあります。茶屋や各所にある休憩所を適宜利用してゆっくり回ることをお勧めします。
橋爪門に向かう前に新丸広場と大手門外まで巡ってみます。
ここは特に何もありませんが、見晴らしがよくお城の櫓が映えるので、ここで写真を撮るのも楽しい。ベンチもたくさんあるので日陰を見つけて休憩することもできます。
河北門に戻って一転して反対側の橋爪門方面へと向かいます。
金沢城公園屈指の観光名所、五十間長屋。
五十間長屋は橋爪続櫓と菱櫓と連結した延床面積1894.23㎡の巨大な長屋となっています。
内堀石垣沿いを通って橋を渡り、橋爪門を潜ると、反対側から観覧可能です。入場料320円。
兼六園の文化施設共通利用券「兼六園+1利用券」を使用して入場することができます。他の施設で利用する予定のない方は是非ここで。
二の丸の要衝「五十間長屋」の内部を観覧
金沢城の実質本丸として機能していた二の丸前に陣取った重要な守備の要。
出窓から石を落として敵を撃退することを想定した「出しの石落とし」です。
菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓、橋爪門は明治14年(1881年)二の丸御殿と共に火災により焼失してしまいましたが、残っていた資料を基に平成13年(2001年)順次再建され、各所の門や櫓も復元されています。
金沢城公園は今は城門や櫓のみですが、現在も再建作業は続いていてどんどん観光地としての城址から加賀百万石の金沢城の再建を目指しています。
次来るときは一体どこまで復活しているのかな。楽しみ。
兼六園・金沢城公園周辺の他の見どころを紹介!
広大な両園の周辺にも観光名所として名高い場所はいくつもあります。
旧加賀藩つながりで藩祖前田利家を祀っている尾山神社。
見どころ①尾山神社&神門
広い境内は清潔で、観光客や参拝者が多く訪れていました。
神社としては珍しい和漢洋折衷の神門はあまりにも有名です。密かに大きな楽しみの一つとして神門拝観をこの旅の目的としていました。
夜にはライトアップなどもあるそうで、兼六園と共に日没後の観光も楽しめると思います。週末などなら限定運行のライトアップバスで夜の市中観光の1スポットとして巡ってみることをお勧めします。
見どころ②金沢21世紀美術館
歴史の遺構から一転して金沢での現代アートを展示しているのが「金沢21世紀美術館」。
常設展の他、イベントや企画展もあり前衛的な現代アートを堪能するのに最適な美術館。
美術館周辺の広場のアート施設は無料で利用できるので、写真スポットとしておススメできる場所です。
2重底になっているトリックアートのプールは予約が必要で、チケットを購入の上入場時に申請すれば順番待ちで入ることができます。今回はスルー。
感性爆発の「Lines(ラインズ)ー意識を流れに合わせる」展開催中(24年6月22日~10月14日)。
作品は各展示室に分散されていて、現代アートを代表する様々な作家さんが出展しています。
上記はエル・アナツイ氏のペットボトルなどの廃棄品で創られたタペストリー「パースペクティブス」。もう一つは大巻伸嗣氏による世界の地形と時間軸の流れを表現した「Plateau 2024」。両作品とも実際に近くで見るととても繊細でユニークな作品で見ていて飽きません。
こちらはマーク・マンダース氏の作品「4つの黄色い縦のコンポジション」。
こっち見んな。
夜中巡回の警備員さんとか見たらギャーとか悲鳴を上げそうな作品ですね、これ・・・。
箪笥の隙間から覗く幽霊のお話を思い出すようなこの作品は「黄色い縦のコンポジション」。
美術館には珍しく写真撮影可のエリアが多く(撮影禁止作品もあるので注意)、スマホ片手にパシャリとしていた人がとても多かったです。
歴史の観光名所が多い金沢であえて美術観光をするのもなかなか乙なもの。兼六園周辺の観光セットとしてスケジュールにプラスすると効率よく足を運べるコースと言えます。
金沢中心部の広大なエリアは観光パラダイス!
偉大なり、加賀藩祖前田大納言。
兼六園や金沢城公園を中心に、尾山神社、21世紀美術館の他にも細々とした観光施設が沢山あり、歴史や文化が好きな人にとっては徒歩圏内でも見切れないほど充実した観光地となっています。
金沢グルメも近辺で沢山頂くことができます。
駅前や近江市場を含めたら食べ歩きだけでも1日じゃ足りないっス!
ともあれ、金沢市内探索の旅は1日目はこれにてタイムアップ。
しかし金沢といえば藩や藩士のような武家階級だけが築いた文化だけではありません。
町人や商人が築いた独特の街並みや文化も有名です。
次回はそれに代表される、
金沢三大茶屋街
を巡って紹介していきたいと思います。
やっぱ金沢(加賀)藩ぱねえってッッ!
ダジャレついでに藩士の縁深い長町武家屋敷跡も合わせて紹介していきたいと思います。街巡りはまた違った楽しさがありますよ。
金沢グルメにありつけるのはいつの日か。(書いてて腹減ってきた)
続く。